WECサンパウロ、性能調整でル・マンウイナーのフェラーリが出力引き上げ。重量はトヨタと同じ1060kgに

AI要約

WEC第5戦サンパウロ6時間レースの性能調整(BoP)が発表され、フェラーリ499Pは最高出力が引き上げられた。

ル・マン24時間レースではフェラーリ499Pの最高出力が削減されたが、サンパウロ6時間レースではプラス1.8%に引き上げられた。

フェラーリはル・マンでのパワーゲイン調整に不満を示唆し、他の要素も調整されていることが明らかになった。

WECサンパウロ、性能調整でル・マンウイナーのフェラーリが出力引き上げ。重量はトヨタと同じ1060kgに

 WEC(世界耐久選手権)第5戦サンパウロ6時間レースの性能調整(BoP)が発表。ル・マン24時間レースで勝利したフェラーリ499Pは、最高出力が引き上げられている。

 先月開催されたル・マン24時間レースでは、フェラーリ499Pは250km/h以上の領域での最高出力を1.7%削減された。このパワーゲイン調整と呼ばれる要素は、ル・マンで初めて採り入れられたものだ。

 インテルラゴスで開催されるサンパウロ6時間レースでは、フェラーリ499Pのパワーゲイン調整はプラス1.8%に。ル・マンと比較すると3.5%の引き上げとなった。

 フェラーリはル・マンを前にこのパワーゲイン調整について批判を避けたが、テストデーでの最初の走行を終えた後、テクニカルディレクターのフェルディナンド・カンニッツォはその効果について「自分で結論を出す」ようメディアに求め、不満を抱えていることを示唆した。

 彼は「ル・マンのようなサーキットでは、45%の時間は時速250kmを超える」と指摘。レースでのパフォーマンスに大きく影響を与えると語っていた。

 フェラーリはル・マンのレースウィークを通じてダウンフォースを減らしストレートスピードを上げていったが、その影響もあってかウエットやダンプコンディションではトヨタGR010 ハイブリッドの方が高いパフォーマンスを見せていた。

 パワーゲイン調整に合わせて、他の要素も調整されており、499Pは時速250km以下の領域で発揮できる最大出力が508kWから503kWに引き下げられている。

 車両の最低重量も、1043kgから1060kgに引き上げられた。これは7kg増となったトヨタGR010と同重量となる。

 ル・マンで2位となったトヨタは最高出力は2kW減の506kW、パワーゲインは+2.8%となっている。最高出力がマイナスとなっているのはこの2台だけであり、その他のハイパーカー勢の最高出力は据え置きまたはプラスとなっている。その代わり、パワーゲイン調整でプラスとなっているのもトヨタとフェラーリだけであり、時速250km以上の領域ではその差が縮まることになる。

 パワーゲイン調整以外、ハイパーカークラスの出力や重量は5月のスパとほぼ同じような数値となっている。これはル・マンがその特異なコース特性を踏まえ、他のレースとは異なるBoPが採用されていたことが大きい。