朝紅龍、節目の名古屋場所へ手応え 新入幕の可能性も「気付いたら上がっていたが理想」

AI要約

大相撲の西十両力士朝紅龍が新入幕に挑む名古屋場所を迎える。調整も順調で、先場所無傷の相手にも余裕を持って臨む姿勢を示す。

朝紅龍は新入幕の可能性もあるが、気負いはなく、2桁白星を目指している。兄弟子の弟も同時に土俵入りし、熱心に稽古を重ねている。

大の里との対戦での付き合いや、日体大での先後輩関係などから刺激を受け、名古屋場所での活躍が期待されている。

朝紅龍、節目の名古屋場所へ手応え 新入幕の可能性も「気付いたら上がっていたが理想」

 大相撲で西十両4枚目の朝紅龍(25=高砂)が、関取昇進&改名から1年となる、節目の名古屋場所(14日初日、ドルフィンズアリーナ)で新入幕に挑む。

 12日、愛知・蟹江町の部屋で基礎運動などで調整。「先場所よりも状態はいい」と、上り調子で節目の場所に臨める手応えを口にした。この日の取組編成会議で、初日の相手は大翔鵬に決定。5場所連続の対戦で、先場所まで無傷の4連勝と合口の良い相手だけに「何度もやっている相手なので、余計なことを考えずにやりたい」と、無心で攻め抜いた先に白星があると確信した様子で話した。

 今場所の成績次第では、来場所は新入幕の可能性もある。ただ、朝紅龍本人は「気付いたら上がっていた、という感じが理想」と、気負いはない。一方で春場所では初日から8連勝しながら到達しなかった、2桁白星を達成させたい思いも常にあった。そんな中で今場所は、弟の石崎涼馬(23)が自身と同じく「石崎」のしこ名で初土俵を踏む。楽しみでもあり、心配でもある取組が増えたことが刺激となると同時に、これまで以上に熱のこもった稽古を積んできた。

 稽古後は、弟が幕下朝白龍に指導を受けながら、所作の稽古を初めて行う様子も、少し心配そうに最後まで見届けていた。朝紅龍は「自分と同じで緊張しやすいけど、普通にやったら勝ち越す力はある。今場所は慣れることが1番」と、兄弟子というよりも、兄の顔を前面に出して話した。

 刺激になる出来事は、もう1つある。日体大で2学年後輩だった大の里の所要7場所での史上最速優勝だ。昨年夏場所、大の里のデビュー戦の相手こそ朝紅龍で、2年連続アマチュア横綱として鳴り物入りで角界入りした大の里に、いきなり土をつけていた。互いに幕下上位だった昨年名古屋場所での2度目の対戦も勝利。場所後、そろって新十両昇進を決めたが、この日、朝紅龍は「1年でこんなに差が開くとは。でも、あいつの中では、僕に対して苦手意識があると思う。早く対戦できるところまでいきたい。足を引っ張ってやりたいですね(笑い)」と、苦楽を共にした先輩後輩の関係だけに、冗談めかしながらも愛情をのぞかせ、再戦を熱望していた。大阪・四條畷市出身。日体大では主将も務めた、天性の兄貴肌の浪花節力士が、熱い名古屋を一段と盛り上げるつもりだ。【高田文太】