交流戦残り6試合「目標は五分」…巨人・阿部監督の真意を読み解く

AI要約

阿部慎之助監督が交流戦残り2カードに向けて「目標は五分」と掲げ、チームは3勝3敗を目標に掲げる。

阿部監督は勝率5割を基準にし、夏場以降の勝負に備えてチームを整えている。

打撃陣の課題を改善し、次の交流戦での成績向上に期待が寄せられている。

交流戦残り6試合「目標は五分」…巨人・阿部監督の真意を読み解く

 巨人の阿部慎之助監督(45)が10日、交流戦残り2カードに向け「目標は五分」と掲げた。楽天、日本ハムとのビジター6連戦で3勝3敗に照準を定めた。チームは9日までのオリックス3連戦(東京D)で、計1得点で3連敗。交流戦は6勝6敗、貯金2でセ・リーグ3位に転落したが、勝負は9月以降と考える指揮官に慌てる様子はない。その真意を巨人担当の片岡優帆キャップが「読み解く」。

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 ジェットコースターのような1週間が終わり、気持ちを新たに仙台に移動した。現状1、2軍の入れ替えはなし。阿部監督は起爆剤について「いたら(ファームから)呼んでるよ。“代打・オレ”だよ」と笑顔で冗談を口にした。新幹線で同便の選手たちも明るく前向きで、本拠地3連敗を引きずることなく切り替えた様子だった。

 交流戦は残り6試合。11日からは交流戦9勝3敗で首位の楽天と敵地で3連戦。14日からは現在貯金6でパ・リーグ3位の日本ハムとエスコンでの3連戦に臨む。この6試合について「とにかく五分。目標は五分」と3勝3敗を目安とした。ここまで巨人は交流戦6勝6敗。楽天に2敗すると交流戦の優勝が消滅する状況だが、慌てず地に足をつけて戦う。その裏には先を見据える阿部監督の考えがある。

 開幕直後から「五分でいければいい」と勝率5割を基準にしてきた。先日「五分でいいという考えはいつまでですか?」と聞いた。答えは「(7月23、24日の)オールスターまで。そこからでしょう、勝負は」だった。昨年は阪神が8、9月に猛烈な勢いで加速して優勝。今年の阿部巨人が目指す成長曲線と重なる。今は一喜一憂せず、夏場以降にギアを上げるためにチームの土台固めの時期。貯金2でセ・リーグ3位は御の字だ。

 4日のロッテ戦で9者連続を含む1イニング12安打11得点した攻撃陣が、7日からのオリックス3連戦は3試合で10安打1得点。打線は水ものとあらためて痛感する本拠地6連戦だった。移動日を挟み、相手も楽天となり心機一転。DHは「そうなると思います」と日替わりで打順を組む方向だ。

 3勝3敗を最低ラインに、もちろん、それ以上の白星を重ねられれば最高だ。泰然自若で臨む阿部巨人の変わり身に期待したい。(片岡 優帆)