死者3.6万人超!日本人が知らない「あの巨大噴火」の真実…陸地の3分の2が吹き飛ぶ「脅威的破壊力」を生んだ条件が「日本とそっくり」

AI要約

1883年8月26日の午後、インドネシアのクラカタウ火山で史上最大の噴火が起き、2日間続いた。

噴火の被害はすぐに世界中に伝わり、異常気象の原因が明らかになった。

この出来事は芸術家にも影響を与え、ムンクの『叫び』にも表れた。

死者3.6万人超!日本人が知らない「あの巨大噴火」の真実…陸地の3分の2が吹き飛ぶ「脅威的破壊力」を生んだ条件が「日本とそっくり」

1883年の8月26日の正午過ぎ、インドネシアのクラカタウ火山で史上最大規模ともいえる大噴火が発生し、2日後の28日まで延々と続きました。

深刻な被害の模様は、19世紀半ばに敷設された海底ケーブルによってすぐさま世界に伝えられました。これによって世界の人々は、身近に起こる冷夏といった異常気象の原因を知ることができたのです。

また、クラカタウの噴火の日に見られた異様な空模様は、芸術家にもインスピレーションを与えました。ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクの名画『叫び』は、背景の空が血を吐いたような赤色で不気味に塗りたくられていますが、この表現は、クラカタウの噴火による真っ赤な夕焼けに影響されたともいわれてます。

この1883年のクラカタウ噴火が起こったインドネシアのスマトラ島からジャワ島に沿って、きれいな弧を描いて延びているスンダ海溝(「ジャワ海溝」とも)では、年間数センチメートルずつ、北向きに沈み込んでいるオーストラリアプレートが、時として大地震や巨大噴火を引き起こします。

じつは、インド洋の、特にその北東側に面する国々でしばしば起こっているこの火山噴火と地震、そして津波は、日本列島で、私たちがしばしば経験する自然現象や災害と発生メカニズムが共通しています。スンダ海溝でのプレート沈み込みは、ちょうど日本列島の東方海域、千島・カムチャツカ海溝や日本海溝に太平洋プレートが沈み込むことによって、日本列島が地震や火山噴火に襲われる状況と酷似しています。

折も折、8月8日には日向灘で地震が発生し、南海トラフ巨大地震臨時情報が初めて発表されました。8月26日は本年より「火山防災の日」に制定されており(奇しくもクラカタウ火山噴火と同じ日です)、9月1日には「防災の日」もやって来ます。

自然災害にあらためて注目が集まるいま、1883年のクラカタウ火山噴火に焦点を当てて見てみましょう。日本のこれからの防災にも、ヒントを与えてくれるかもしれません。

*本記事は『インド洋 日本の気候を支配する謎の大海』の内容を再構成したものです。