NASA赤外線天文衛星「NEOWISE」ミッション終了 2024年末頃に大気圏へ

AI要約

NEOWISE(ネオワイズ)はNASAの赤外線天文衛星で、2024年8月8日にミッション終了が発表されました。NEOWISEは地球の大気圏に突入する見込みです。

NEOWISEはWISE衛星の後継で、2010年まで全天観測を行い、その後は地球近傍天体の観測に専念しました。NEOWISEミッションで全天マップには4万4000個以上の天体が検出されました。

NEOWISE衛星は3000個以上の地球近傍天体を観測し、さらに25個の彗星も発見されました。2020年にはネオワイズ彗星などの話題を提供しました。

NASA赤外線天文衛星「NEOWISE」ミッション終了 2024年末頃に大気圏へ

アメリカ航空宇宙局(NASA)は2024年8月8日付で、赤外線天文衛星「NEOWISE(ネオワイズ)」のミッションが終了したことを発表しました。運用を終えたNEOWISE衛星は2024年末頃に地球の大気圏へ突入して燃え尽きると予想されています。【最終更新:2024年8月16日10時台】

NEOWISEはもともと赤外線で全天を観測する「WISE(Wide-field Infrared Survey Explorer、ワイズ)」ミッションの天文衛星として2009年12月14日に打ち上げられました。当初の目的である4つの波長帯(3.4μm、4.6μm、12μm、22μm)での全天観測は2010年7月までに達成されています。2010年9月には冷却剤の固体水素が枯渇しましたが、冷却剤がなくても稼働する2つの検出器(3.4μmと4.6μm)を使用した小惑星帯の小惑星観測が4か月間行われ、衛星の運用は2011年2月で一度終了しました。

その後は地球の公転軌道に接近する軌道を公転している地球近傍天体(Near-Earth Object: NEO)を観測するWISE衛星の新たなミッション「NEOWISE(Near-Earth Object Wide-field Infrared Survey Explorer)」が、現在の惑星防衛調整局(Planetary Defense Coordination Office)の前身であるNASAの地球近傍天体観測プログラム(Near-Earth Object Observations Program)の下で2013年12月にスタートしました。

NASAによると、NEOWISEミッションで作成された全天マップには太陽系に存在する4万4000個以上の天体の145万件の検出が含まれています。NEOWISE衛星が検出した地球近傍天体は3000個を超えていて、そのうち215個はNEOWISE衛星による観測で新たに発見されたものでした。また、NEOWISE衛星は2020年に話題を呼んだ「ネオワイズ彗星(C/2020 F3)」をはじめとする25個の彗星も発見しています。