古高生4人が初調査員に サンゴ礁モニタリング 瀬戸内町

AI要約

奄美せとうち観光協会と瀬戸内町海を守る会が大島海峡でサンゴ礁の健全度調査を行った。

古仁屋高校生4人も参加し、地元高校生が初めて調査員として活動。

調査結果から海洋保全の重要性が再確認された。

古高生4人が初調査員に サンゴ礁モニタリング 瀬戸内町

 鹿児島県の奄美せとうち観光協会(杉岡秋美会長)と瀬戸内町海を守る会(三島茂尚会長)は6~8日、大島海峡でサンゴ礁の健全度を調査するモニタリングチェックを行った。今年は、同海峡をフィールドに海洋保全活動などに取り組む、奄美せとうち海っ子クラブ所属の古仁屋高校生4人も参加。島内で地元高校生が調査員としてモニタリングに当たるのは初の試み。

 同調査は、海洋環境の保全や資源の持続的利用を目的に、2001年から地元ダイビング業者らで組織する海を守る会が毎年続けている。今回は調査範囲をシュノーケリングポイント(サンゴ保全のための係留ブイ設置場所)の12地点に広げて実施。

 顧問に奄美海洋生物研究会の興克樹会長を迎え、地元ダイバーと高校生が1カ所当たり15分間遊泳し、サンゴの被度(海底面に占める生きたサンゴの割合)や白化、オニヒトデの生息数状況などをチェックした。

 全12地点の平均被度は70・8%と高く、各海域とも01~05年に大量発生したオニヒトデの食害は回復がみられ、良好な状態。特に、実久、西古見、管鈍は90%と非常に高い被度が保たれていた。

 一方、調査時の海水温は29~30度と高い状態。浅瀬では色が薄くなる程度の白化が確認されており、海水温が高い状態が続けば、死滅群体の増加が危惧されるとの調査結果が示された。

 調査を終え、興会長は「高校生が調査員として海中景観を楽しみ、保全に資する調査を行うことで地元の海を見詰め直す良い機会となった。継続的に実施し、地元の海は地元で保全する、長期的な体制が望まれる」と所見を述べた。