鹿児島県 身近に潜む外来種知って 剥製やパネル、映像で啓発 県が奄美市で移動博物館

AI要約

奄美市での外来種移動博物館が開催され、県立博物館の展示物やパネル、映像が身近な外来種について理解を深める機会となった。

県内各地を巡回する博物館は在来の生態系を脅かす外来種について啓発を行い、県が指定する外来種は計661種類あることが紹介された。

展示では、奄美大島で問題となったフイリマングースや近年の脅威であるシロアゴガエルなどが紹介され、地域の外来種対策についても具体的に解説されていた。

鹿児島県 身近に潜む外来種知って 剥製やパネル、映像で啓発 県が奄美市で移動博物館

 県主催の「外来種移動博物館~Youはどうして鹿児島へ?」が17日、奄美市名瀬のAiAiひろばであった。会場には県立博物館が所蔵する剥製(はくせい)や標本を始め、解説や防除の手引きといったパネルや映像が多彩に展示。来場者らは展示物に熱心に見入り、身近に存在する外来種に理解を深めた。

 奄美市での開催は2019年以来2回目。在来の生態系を脅かす外来種の周知と啓発を目的に、県内各地を巡回している。

 県が指定する外来種は計661種類。2019年に「指定外来動植物による鹿児島の生態系に係る被害の防止に関する条例」を制定以降、リストやパンフレットを作成し、県民への普及啓発を進めている。

 会場には、根絶間近といわれる奄美大島で猛威を振るった「フイリマングース」などの剥製など12体を始め、標本やパネル、映像などがずらりと並んだ。近年、与論や徳之島で見つかり駆除が進む「シロアゴガエル」もレプリカとパネルが飾られ、その脅威を分かりやすく伝えている。

 展示は、奄美群島に生息する動植物だけでなく、アライグマやヒアリ、ゴケグモなど、県の代表的な外来種も豊富に解説された。地域の風景を一変させるセイタカアワダチソウやセンダングサなどの防除マニュアルもパネルで設置。子どもたちが楽しめるようクイズラリーや塗り絵、工作などのコーナーも設け、親子らがゲームやクイズを通して、意外と身近にいる外来種を学んでいた。

 市内在住の40代女性は「剥製を見ると写真や絵で見ていた動物も以外と大きくて驚いた。島だけでなく徳之島や県内の現状もよく勉強できた。大人も絶対に来るべき」と話した。県環境林務部の担当者は「存在を知ることで発見にもつながりやすくなる。見つけた場合は県や市町村に連絡してほしい」と呼び掛けている。