暑い時期に増える痛風、ならないためにどうすればよい?

AI要約

痛風は急性な痛みを伴う病気であり、尿酸値が高いことがリスク因子である。

痛風の痛みは日常生活に大きな支障をきたし、放置すると合併症リスクも増加する。

尿酸は体を酸化ストレスから守る役割も持つ重要な代謝物である。

暑い時期に増える痛風、ならないためにどうすればよい?

痛風は突然襲ってくる激しい痛みを伴う病気だ。その発症者数は過去30年間で約5倍に増加しており、多くの人にとって他人事ではない。

特に注意が必要なのは「尿酸値が高め」の人たちだ。尿酸値が高い状態が続くと、痛風のリスクが高まるだけでなく、腎臓病や心臓病、動脈硬化などの合併症リスクも増加することが最近の研究で明らかになっている。

年末年始についで飲酒の機会が多く、脱水しやすい夏は痛風の発症が多くなる時期。本記事では、痛風や高尿酸血症の専門家であるイーヘルスクリニック新宿院の天野方一氏に、尿酸値が上昇するメカニズムとその改善方法について詳しく伺った。

「痛風の痛みは、経験した人にしか分からない、想像を絶する激痛です。一度でも発作を経験した人は、その恐怖から解放されたいと願うものです。」と、イーヘルスクリニック新宿院の天野氏は言う。

「痛風の痛みは、日常生活に大きな支障をきたします。初めての発作では、あまりの痛みにパニックになることもあります。靴を履けず、職場に行けず、時には救急車を呼ぶ事態に発展することもあるのです。」

しかし、ここで注意が必要だと天野氏は語る。

「問題は、発作が治まると嘘のように痛みがなくなるため、原因である高尿酸血症を放置してしまう人が少なくないことです。痛風の痛みが改善したら、すぐに高尿酸血症を治療することが大事になってきます。」

尿酸値が高いことが問題であることは分かるが、そもそも尿酸とは何者なのか。天野氏は説明する。

「尿酸はプリン体が肝臓で分解されて生じる代謝物です。プリン体には、プリン体を多く含む食べ物に由来する外因性プリン体と、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)などの核酸が分解されて生じる内因性プリン体があります。」

では、プリン体とは何か。

「プリン体には悪役のイメージを持つ方が多いかもしれませんが、実際はあらゆる生物の細胞に含まれる物質で、細胞内の核酸の主要な成分です。」

つまり、プリン体は生命維持に不可欠な物質なのだ。さらに天野氏は述べる。

「尿酸は、最近の研究では病気の原因となる一方で、活性酸素が細胞を傷つける酸化ストレスから体を守る役割を果たしていることが分っています。つまり、尿酸は私たちの健康を守るはたらきも持っているのです。」