「火星の生命」の証拠かもしれない岩石を「パーサヴィアランス」が発見

AI要約

現在の火星の環境と、数十億年前の火星の環境について科学的な検証が進む中、生命の存在の可能性について考察されている。

NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」の科学チームが、数十億年前の火星から生命の可能性を示唆する岩石を発見したと発表。しかし、直接的な生命の証拠は未だ見つかっていない。

今回報告された岩石は、渓谷の北端に位置し、かつての川の流れの痕跡が見られる。この発見を地球で詳しく調査することで、火星の過去の生命についての理解が深まる可能性がある。

「火星の生命」の証拠かもしれない岩石を「パーサヴィアランス」が発見

多くの科学者は、大昔の「火星」の環境は地球と似ており、独自の生命が発生していたと考えています。火星の探査が進めば進むほど、生命の存在を肯定する証拠が数多く見つかっています。しかし今のところ、生命の存在を直接的に証明する証拠は見つかっていません。

アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「パーサヴィアランス(Perseverance)」の科学チームは、2024年7月25日付の記事で、数十億年前の生命の直接的証拠であるかもしれない、潜在的に重要な岩石の発見を報告しました。多くの謎が未解決のままであるため、現時点では火星独自の生命の証拠であると確定させることはできませんが、このサンプルを地球で調べることができれば、より多くのことが分かるでしょう。

現在の「火星」は文字通り荒涼とした土地が広がっており、今のところ生命は見つかっていません。一方、数十億年前の火星では、広大な海が広がる穏やかな環境が少なくとも数億年間持続していた可能性が高いことから、大昔の火星には独自の生命が誕生していたという説があります。

数々の証拠により、数十億年前の火星は、生命が発生できるほど穏やかな環境であったことはほぼ疑いようのない状況となっていますが、その一方で、火星に生命が存在したという直接的な証拠はこれまでに見つかっていません。生命と結びつけることのできる間接的な証拠は見つかるものの、これらは生命活動とは関係のない自然現象でも説明ができるため、証拠としては弱いものでした。

しかし、NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」の科学チームが2024年7月25日付で投稿した記事は、これまでとは少し異なり、数十億年前の火星にいた生命の存在を示唆する、興味深い岩石について説明しています。

今回調査された岩石は、幅約400mの「ネレトヴァ渓谷(Neretva Vallis)」の北端に存在します。この渓谷は太古の川の後であり、「ジェゼロ・クレーター(Jezero crater)」(※1)内部へと流れ込んでいました。

※1…スラブ語派の発音では「イェゼロ」に近い。