驚愕しかない。噴火したのは、噴煙をあげる山ではなく、海だった…なんと「海から島が湧いた」住民が目にした「衝撃の事実」を検証した

AI要約

新たな火山島の出現は、研究材料の宝庫であり、地球のダイナミズムを垣間見る機会である。著者は鬼界カルデラを構成する薩摩硫黄島、昭和硫黄島に実際に上陸し、その成長過程を解説する。

鬼界カルデラは7300年前の超巨大噴火によって形成され、薩摩硫黄島や昭和硫黄島がそれに続く新しい火山として生まれた。噴火履歴の未解明な部分も存在している。

硫黄島はフェリーでアクセス可能であり、昭和硫黄島の特異な外観から過去の火山活動を考えさせる。遠くからでもその凹凸が見える。

驚愕しかない。噴火したのは、噴煙をあげる山ではなく、海だった…なんと「海から島が湧いた」住民が目にした「衝撃の事実」を検証した

新たな火山島の出現は、島を知り地球を知る研究材料の宝庫。できたての島でなくては見ることのできない事象や、そこから伝わってくる地球のダイナミズムがあります。そして、地球に生まれた島は、どのような生涯をたどるのか、新たな疑問や期待も感じさせられます。

今まさに活動中の西之島をはじめ、多くの島の上陸調査も行ってきた著者が、国内外の特徴的な島について噴火や成長の過程での地質現象を詳しく解説した書籍『島はどうしてできるのか』が、大きな注目を集めています。

ここでは、実際に現場を見てきた著者ならではの、体験や研究結果をご紹介していきましょう。前回に引き続き、鹿児島県大隅半島南方にある鬼界カルデラを構成する薩摩硫黄島、その火山活動によって生まれた昭和硫黄島に実際に上陸した際の模様を取り上げます。

※この記事は、『島はどうしてできるのか』の内容を再構成・再編集してお届けします。

昭和硫黄島は、両隣の薩摩硫黄島、竹島とともに鬼界カルデラの一部を構成している。鬼界カルデラは7300年前の超巨大噴火「鬼界アカホヤ噴火」によりその概形が作られ、現在の薩摩硫黄島の硫黄岳や昭和硫黄島は、この超巨大噴火の後に成長した新しい火山だ。しかし鬼界カルデラの大部分は水没し、噴火履歴については未解明の部分も多い。

著者は大学院生の頃、この鬼界カルデラの噴火履歴を明らかにする研究を進めていたが、その過程で昭和硫黄島の存在を知り、この島がどのようにして作られたかに興味を持ち、上陸調査を行ったという経緯がある。

薩摩硫黄島と竹島は、九州本土と定期船「フェリーみしま」により結ばれている。鹿児島港を出港したフェリーは錦江湾(きんこうわん)を経て約3時間かけて竹島に、さらに30分かけて硫黄島に到着する。

昭和硫黄島はこの定期船の航路の近くにあるため、船から現在の島の様子を窺い知ることができるが、そのひっそりとした佇まいから当時の激しい噴火を想像することは難しい。しかし遠方からでも注意深く観察すると、表面がやや白っぽく非常に凹凸に富んだ特異な外観の島であることがわかる。