わずか12光年先の系外惑星「スーパージュピター」、JWSTで直接撮像に成功

AI要約

地球から12光年の距離にある恒星を公転する太陽系外惑星がJWSTで直接撮影される。

非常に古く、低温な惑星で、木星の6倍以上の質量を持つ。

惑星は表面温度が約0度で、公転周期は約200年。

わずか12光年先の系外惑星「スーパージュピター」、JWSTで直接撮像に成功

地球からわずか約12光年の距離にある恒星を公転する太陽系外惑星を、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いて、惑星そのものを画像に捉える直接撮像法で発見したとする研究結果が発表された。この系外惑星は、これまでに直接撮像された惑星の中で最も古く、最も低温だという。

地上の望遠鏡で未撮影の系外惑星を、JWSTで撮影したのは今回が初めてだ。

これまでに知られている系外惑星約5000個のほとんどは、トランジット法を用いて間接的に発見されたもの。トランジット法は、惑星が主星の前を横切る間の主星の光の変化を観測して惑星を検出する。

直接撮像法は、系外惑星の姿を主星の近くの明るい点として直接画像に収めることで、惑星が存在する直接的な証拠を提供する。直接撮像法で発見されている系外惑星は、25個足らずしかない。

これまで直接撮像された惑星の年齢が約5億~1億年未満なのに対し、年齢約35億年と非常に古いインディアン座イプシロン星系にある今回の系外惑星「インディアン座イプシロンAb(Eps Ind Ab)」は、木星の6倍以上の質量を持っており、木星型の巨大ガス惑星「スーパージュピター」に分類されている。

■明るくて低温

学術誌Natureに24日付で掲載された論文によると、今回の発見に先立ち、南天の星座インディアン座にある、太陽に似た明るい恒星のインディアン座イプシロンAを公転する惑星が存在する可能性を示す証拠が複数報告されていた。

だが、JWSTが発見したのは驚くべきものだった。非常に明るくて低温な惑星だったのだ。表面温度は約0度で、これまでに知られているガス惑星に比べてはるかに温度が低い。

主星から地球太陽間距離(1天文単位AU)の約15倍離れた軌道を公転しており、軌道を1周するのにかかる時間(公転周期)は約200年と考えられている。これは太陽系の海王星(約165年)に近い。また、公転軌道上にある唯一の巨大惑星と見られている。