子どもが自由に計画し学ぶ『自由進度学習』 公立小学校で実践 50年前に導入した小学校も 理解度に差が出る従来の授業とどう違う?

AI要約

兵庫県の公立小学校が、算数の授業方法を変える大胆な改革を始めた。

先生が子どもたちに一斉授業ではなく、自由進度学習を取り入れることで個々の学習スタイルに合わせた指導を目指している。

教師たちも新たな教育方法に挑戦し、子どもたち全員が有意義な学習を行えるように模索している。

子どもが自由に計画し学ぶ『自由進度学習』 公立小学校で実践 50年前に導入した小学校も 理解度に差が出る従来の授業とどう違う?

兵庫県のある公立小学校。ここでは、“児童みんなの前で先生が教える授業”の形を変えてみることに。

床で作業する子や、壁に向かって問題を解く子もいる。それぞれのやり方で、算数の勉強に取り組んでいる。

大胆な改革の狙いとは?

芦屋市立岩園小学校。

児童:先生、今から何するんやっけ?

児童:(ファイルを髪にこすりつけて)先生~!静電気!

教室で子どもたちに話しかけられているのは、4年3組の担任、松尾 駿(はやお)先生。

岩園小学校 松尾 駿さん:きのう習ったのは?

児童たち:平行四辺形~!

岩園小学校 松尾 駿さん:はい。じゃあこれの特徴は?

児童:向かい合う2組の辺がどちらも平行。

先生が子どもたちに教える、よくある授業風景だ。

岩園小学校 松尾 駿さん:ここの角度は?110度。じゃあ次、ここは?70度。

児童:うそつけ!110度じゃないの?ん…?110度?ふぅ…(ため息)。

子どもによって理解度に差が出てしまう…。松尾先生は課題が大きいと感じていた。

岩園小学校 松尾 駿さん:同じスピードでやるのも大事だと思うけど、暇になる子や、ずっと分からないまま声を出せない子も出てくるのかな。

同じような問題意識を持った人は、松尾先生だけではない。

文部科学省も「令和の日本型学校教育」の例として、「自由進度学習」というやり方に注目している。

芦屋市役所に市内の教師たちが集まった。行われたのは、芦屋市で今春から発足した“改革チーム”による会議。

岩園小学校 松尾 駿さん:子どもに学習を委ねる授業作りにチャレンジということで、『自由進度学習』という方法を取り入れながら、算数での授業の実践を紹介できたらと思います。

子どもたちが自ら学習計画を立てて、自分のペースで進める「自由進度学習」。子どもたちにとって有意義な時間にするには、どうすればよいのか…。

岩園小学校 松尾 駿さん:“何を使って”学習するのかを選ばせるのと、“誰と”学習するのかを選択させる方法を組み合わせると有効なのか、単元によってもいろいろあるのかなと思っています。

参加した教師:(自由進度学習をやることが)目的になったらまずいかなと。自由進度で学べる子どもたちを育てていかないとまずいんじゃないかな。

参加した教師:どうやったらそういう子に育ちますかね。フリーな時間を作ったら絶対に、自分からは何もやらない子がいるんですよ。僕とか、誰かを待っているんだろうけど。その子たちをどういう風にしたら育てあげられるんだろう。