「香川県初の恐竜」はカモノハシ竜 CTで化石を調べて恐竜を特定

AI要約

岡山理科大などの研究チームは、香川県で初の恐竜化石が見つかり、ハドロサウルス類の骨であることを発表した。

化石は8センチ×9センチの大きさで、1986年に発見されたもので、ハドロサウルス類の背骨の可能性が指摘されていた。

複数の恐竜の化石と比較した結果、特徴的な形状や構造からハドロサウルス類と特定され、ユーラシア大陸最東端の記録とされた。

「香川県初の恐竜」はカモノハシ竜 CTで化石を調べて恐竜を特定

 岡山理科大などの研究チームは24日、香川県で見つかった初の恐竜化石が、「カモノハシ竜」とも呼ばれる草食恐竜ハドロサウルス類の骨だったと発表した。

 論文が国際学術誌(https://doi.org/10.2517/PR230027)に掲載された。

 化石は高さ8センチ、幅約9センチの骨の一部だ。香川県さぬき市の白亜紀カンパニアン期末(約8千万年~約7千万年前)の地層から、同県丸亀市在住の金澤芳廣さんが1986年に見つけた。

 大阪市立自然史博物館などの調査で、カモノハシのようなくちばしを持つハドロサウルス類の背骨の可能性があるとされたが、決定的な証拠はなかったという。

 今回、岡山理科大の林昭次准教授や東京都市大の中島保寿准教授らのチームは、化石をCTスキャンにかけ、カムイサウルスやニッポノサウルスといったハドロサウルスの仲間の恐竜18種のほか、トリケラトプスなどの角竜、アンキロサウルスの仲間のヨロイ竜など、計34種の化石と比べた。

 その結果、肉食恐竜(獣脚類)や、首が長く四本足の恐竜の竜脚類に特徴的な、空気が通る「気囊(きのう)」と呼ばれる器官の入る空間が骨に見られなかった。さらに、骨を前から見るとハート形になる輪郭や、骨の密度などがハドロサウルス類の特徴によく似ていることから特定したという。

 研究チームは、今回の化石はカンパニアン期末のハドロサウルス類としてはユーラシア大陸最東端の記録としている。これまで中国やカザフスタンで見つかっていた。

 また、化石が見つかった場所からは、海に生息していた大型爬虫(はちゅう)類モササウルスや首長竜の化石も見つかった。

 林さんは「香川県が中生代の大型爬虫類を知るうえで重要な産地だとわかった」と話している。(小堀龍之)