「サザエ」廃棄キャベツや昆布で育てたら、天然より大きく甘く…イオン九州と九州大学が蓄養技術開発

AI要約

イオン九州と九州大水産実験所が共同開発した天然サザエの甘みやうまみを向上させる蓄養技術について発表。

廃棄予定の野菜や昆布を活用してサザエの育成を行い、甘み成分やうまみ成分を増加させることに成功。

開発したサザエの試験販売を行い、地元漁協と協力して本格的な生産に向けて進める方針。

 イオン九州と九州大水産実験所(福岡県福津市)などは10日、天然サザエの甘みやうまみを向上させる蓄養技術を共同開発したと発表した。廃棄予定の野菜や昆布をエサとして活用したのが特徴で、産学官でブランド化を図り、2025年度中の本格販売を目指す。

 福津市から新たな水産ブランド品の開発に向けて相談を受けた実験所が昨年12月、同市沿岸で多く取れるサザエに着目して研究を始めた。

 実験所がもともと手がけていたウニ養殖のノウハウを生かし、イオンの店舗で廃棄予定だったキャベツの葉や地元の給食センターで捨てられる昆布の提供を受けて水槽で1か月育てたところ、天然サザエに比べて可食部分が大きくなり、甘み成分の一部が6倍に伸びたほか、うまみ成分の一部も2倍超に増えたという。

 イオン九州と九大などは、開発したサザエの試験販売会を13日に福津市のイオンモール福津で開くとともに、今後、本格生産に向けて地元の漁協と技術面の協議を進める。実験所の栗田喜久准教授は「廃棄予定の食材を活用することで漁業者が得られる利益の増加も期待できる」とし、イオン九州の武富恭子・上席執行役員も「社会課題の解決に貢献していきたい」と話している。