火星の大地を切り裂く地溝帯 ESA探査機マーズ・エクスプレスが観測

AI要約

火星のアガニッペ地溝帯は600kmにわたって広がる帯状の陥没地溝で、アルシア山の斜面を横切っています。

地溝の形成はマグマの上昇による地殻伸長が関与している可能性が高く、風による堆積物が特徴的な縞模様を作り出している。

さらに、不規則な丘や谷、過去の火山活動の痕跡も観測されており、火星の歴史を物語っている。

火星の大地を切り裂く地溝帯 ESA探査機マーズ・エクスプレスが観測

こちらは火星にあるアガニッペ地溝帯(Aganippe Fossa)です。帯状に陥没した地溝が長さ約600kmにわたって断続的に続いており、蛇行しながらアルシア山(Arsia Mons)の西側斜面を横切っています。

この画像は欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機「Mars Express(マーズ・エクスプレス)」の高解像度ステレオカメラ「HRSC」で2023年12月13日に取得したデータをもとに作成されました。

ESAによると、アガニッペ地溝帯がいつどのように形成されたのかはまだわかっていませんが、火山であるアルシア山の地下から上昇したマグマが地殻を伸長させたために作られた可能性が高いと考えられています。地溝の周辺を彩る明暗の縞模様のパターンは、風に運ばれた明るい(または暗い)色合いの砂や塵が、暗い(または明るい)色合いの地面に堆積することで生じたものです。また、画像には不規則な形をした丘と谷が密集した地域や、過去の火山活動を物語る溶岩流も含まれているということです。

Mars Expressが観測したアガニッペ地溝帯の画像はESAから2024年7月3日付で公開されています。

Source

ESA – A snaking scar on Mars