【速報】傷を治す『人工タンパク質』の販売目指す 京大などが開発 薬事承認されれば日本初の『遺伝子組み換え技術』を使った医療機器に

AI要約

京都大学などは糖尿病などが原因で治りにくい傷の治療に効果がある人工タンパク質のスポンジについて来年度中の販売を目指すと発表しました。

京大医学部附属病院と三洋化成工業が共同開発した人工タンパク質「シルクエラスチン」は、治りにくい傷の治療に有効で、日本で初めての遺伝子組み換え技術を使った医療機器になる予定です。

「シルクエラスチン」は傷に貼り付けると体液で溶けてゲル状になり、細菌感染を抑えながら傷を治す力を強化する効果が確認されており、安全性や効果が確認された治験を経て、薬事承認申請を行い、販売を目指しています。

京都大学などは糖尿病などが原因で治りにくい傷の治療に効果がある人工タンパク質のスポンジについて来年度中の販売を目指すと発表しました。

薬事承認されれば、日本で初めての『遺伝子組み換え技術』を使った医療機器となります。

京大医学部附属病院と三洋化成工業が共同開発し、治りにくい傷の治療に有効な医療機器として実用化を目指すと発表したのは、スポンジ型の人工タンパク質「シルクエラスチン」です。

やけどや癌(がん)などで皮膚を切除した際にできる「難治性皮膚潰瘍(なんちせい ひふ かいよう)」は糖尿病などが原因で、治りにくい、または治らない傷です。

近年、糖尿病患者が増加していることや、高齢化と共にこの傷が治らない患者が増えていることが問題となっています。

これまでの治療では傷の潤いを保ちながら、毎日傷を洗い、軟膏(なんこう)をつけるなどしていましたが、細菌に感染しやすいことが課題でした。

そこで、京大病院と三洋化成はカイコが作る繭(まゆ)に含まれる絹(シルク)の原料のタンパク質などから、遺伝子組み換え技術を用いて人工タンパク質「シルクエラスチン」を開発。

スポンジ型に加工した「シルクエラスチン」を傷に貼り付けると、体液で溶けてゲル状になり細菌感染を抑えながら、傷を治す力を強くする効果があることが確認されました。

2018年には医師主導の下、行った治験で安全性を確認。

さらに2021年から去年まで、三洋化成の主導で行っていた治験では、患者の傷に「シルクエラスチン」を被せたところ、25人中23人で効果が見られ、高い有効性が確認できたということです。

三洋化成は今後、薬事承認申請を行い、来年度中の販売を目指すとしています。

承認されれば、日本で初めての遺伝子組み換え技術を使った医療機器となります。