流行りのプロテイン製品。タンパク質は積極的に摂ったほうがいい?医師「現代人が高濃度のタンパク質を摂ることで何が起こるかというと…」

AI要約

体がだる重い、疲れがどっとする、眠気がひどいといった症状を抱える人が増えているが、その原因はわからないことが多い。牧田善二先生は、食事を活用して疲労回復することの重要性を説いている。

タンパク質摂取に関しては、今のままで大丈夫であり、過剰摂取は必要ない。アミノ酸プールという体のシステムが適切に機能しており、アミノ酸は不足することがないため、プロテインなどの補助品は必要ない。

食事から摂るタンパク質で充分であり、体内で再利用できるアミノ酸プールが整っているため、過剰摂取は逆効果である。

流行りのプロテイン製品。タンパク質は積極的に摂ったほうがいい?医師「現代人が高濃度のタンパク質を摂ることで何が起こるかというと…」

「とくに病気はないのに体がだる重い」「午後になるとどっと疲れが」「睡眠時間を確保しているのに眠気がひどい」…。原因がよくわからないながら、こうした心身ともに冴えない症状を訴える人が増えていると糖尿病をはじめとする生活習慣病・肥満治療のためのクリニックを東京・銀座で開業する牧田善二先生は言います。一方で多忙な名医ほど「食事」を活用して疲労回復しているそうで――。今回、先生の著書『疲れない体をつくる最高の食事術』から一部引用・再編集してお届けします。

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◆「タンパク質」は積極的に摂るべきか

重要な役割を持つタンパク質。やはり積極的に摂ったほうがいいのでしょうか。

たとえば、私たちが肉や豆腐を食べると、そのタンパク質は分解されてアミノ酸となり、体内で再びタンパク質がつくられます。

そのことから、多くの人が「たくさんタンパク質を摂れば、アミノ酸が増えて筋肉の原料となるし、不足したら内臓など全身のタンパク質が足りなくなる」と考えるようです。

でも、それは本当なのでしょうか。

◆結論から言えば…

結論から言うと、その考えは捨てるべきです。タンパク質摂取に関しては、「今のままで大丈夫」です。

「ステーキなら300グラム食べる」という人であっても、「タンパク質は豆腐や納豆が中心」という人であっても、そのままで大丈夫。

つまり、みなさんが普段の食事から摂るタンパク質(一日約60グラム)で充分だということです。

それ以上に摂ろうとしたり、ましてや粉末や液体のプロテインで補ったりする必要は皆無です。むしろ、それをやってはいけません。なぜなら、私たちの体には、「アミノ酸プール」という優れたシステムがあるからです。

アミノ酸プールは、その名の通り、アミノ酸をプール(ストック)しておけるシステムです。そのアミノ酸は再利用できるため、そもそも不足することはありません。

こうして、もともとアミノ酸プールが整っている上に、食事からもタンパク質を摂っているのだから、アミノ酸は余ってしまうぐらいの状況にあります。