認知症がん患者の対応、拠点病院98%が苦慮 対がん協会実態調査

AI要約
98%のがん医療施設が認知症のがん患者への対応で困難を報告調査結果によると、主な問題は患者本人の意思決定能力の不足と在宅でのサポート不足対策が追いついておらず、課題が多い状況が浮かび上がる
認知症がん患者の対応、拠点病院98%が苦慮 対がん協会実態調査

 地域のがん医療の拠点となっている病院の約98%が、認知症のがん患者への対応で困ったことがあるという調査結果を、日本対がん協会がまとめた。高齢化が進み、認知症のあるがん患者が増えているが、対策が追いついていない実態が浮かんだ。

 調査は2023年4~6月、全国のがん診療連携拠点病院約450施設に郵送とウェブで実施。57%にあたる256施設から有効回答があった。

 「認知症のがん患者への対応で困ったことがあるか」の問いに「はい」と答えたのは、98%にあたる250施設で、「いいえ」は6施設だった。

 「はい」と答えた施設に、どんな事例かを複数回答で選んでもらうと、「本人が治療について判断できない」が93%と最も多かった。次いで「在宅での治療を支える家族がいない」77%。ほかに、「在宅での抗がん剤治療の副作用などを周囲に伝えることができない」64%、「適切な食事管理ができない」63%、「入院中のリハビリを拒否する」60%などが多かった。