超レア! 白いバイソンの子が生まれる、米国先住民の伝説の動物 さらに色が変わる可能性も

AI要約

米国ワイオミング州で白いバイソンの赤ちゃんが誕生し、人々の関心を集めている。

白いバイソンは先住民にとって特別な意味を持ち、バイソンの保護活動に関心が高まっている。

白いバイソンの生まれる確率や異種交配については情報が乏しく、正確なデータは不明。

超レア! 白いバイソンの子が生まれる、米国先住民の伝説の動物 さらに色が変わる可能性も

 野生動物の誕生が大きな話題になることはあまりないが、米国ワイオミング州で撮影された白いアメリカバイソンの赤ちゃんが、人々の関心をさらっている。「数分違いで誕生の瞬間を逃してしまいました」。6月4日、写真家のエリン・ブラーテン氏はフェイスブックにこう投稿した後、イエローストーン国立公園で白いバイソンが誕生したニュースは瞬く間に世界に拡散した。

 キリン、バク、サルからピューマ、アナグマ、そしてカエルやヘビに至るまで、白、黄色、またはブロンドの個体は人々を魅了する。しかし今回誕生した白いバイソンは、米国先住民にとって特別な意味を持つ。

「白いバイソンが生まれると、大きな変化が訪れるという予言があります」。そう話すのは東ショショーニ族のメンバーで、野生のバイソンの復活を目指す団体「Wind River Tribal Buffalo Initiative」でエグゼクティブ・ディレクターを務めるジェイソン・バルデス氏だ。「東ショショーニ族の人々は、1世紀以上前から白いバイソンを追い求め、狩りをしてきたという伝説もあります」

 かつてはアラスカ州からメキシコにかけて3000万~6000万頭のバイソンがかっ歩していたが、1884年にはわずか325頭ほどにまで激減してしまった。科学者と保護活動家のおかげで絶滅は免れ、今日では野生におよそ3万頭が生息している。しかし、そのほとんどが実は「野生」とは言い難い。

「今、バイソンを復活させ、保護しようという機運が高まっています。白いバイソンの誕生は、その神聖な意味合いだけでなく、野生のバイソンが存在することの意義について気付かせてくれると思います」と、バルデス氏は言う。なおバルデス氏はナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)でもある。

 動物にアルビニズム(先天性白皮症)あるいは白変種が起こる頻度については、ペンギンなどで研究が行われてきたが、バイソンに関してはほとんど行われていない。

 白いバイソンが生まれる確率は1000万頭に1頭という数字がネット上で広がり、しかもその情報源は全米バイソン協会(National Bison Association)だと誤って伝えられていた。

「私の知る限り、白いバイソンが生まれた記録を取り続けていた人はいません」と、全米バイソン協会のエグゼクティブ・ディレクター、ジム・マセソン氏が言う。「つまり確かなことは何も言えないのです」

 書籍『Seeing the White Buffalo(白いバイソンを目撃する)』の著者、ロバート・ピカリング氏は、ここ数十年間で白いバイソンが生まれた例はあまりないと言う。白いバイソンについて耳にしたとしても、バイソンと白いシャロレー種の牛との異種交配であることがほとんどだ。

「バイソンを生産する民間の農場はたくさんあって、白いバイソンの子が大きな注目を集めると気づいた生産者もいます」とバルデス氏は言う。「しかしそれは、バイソンの保護を考えると決していいことではありません」

 全米バイソン協会も、マセソン氏も同じ考えだ。「私たちはそのような異種交配を倫理規定で禁止しています」