光をあてると10秒で硬化する瞬間接着剤「アロンアルフア光」がおもしろい!

AI要約

アロンアルフア光は光をあてると10秒で硬化する瞬間接着剤で、青色の光を使用する。この接着剤は紫外線硬化樹脂を使わずに硬化するため、通常の瞬間接着剤としても利用可能。

アクリル板や透明パーツの接着でも白化が目立たない特長があり、LEDライトで照射することで透明な素材でもきれいに接着できる。

アロンアルフア光は光硬化と自然硬化の両方の特性を持ち、様々なシーンで活躍する瞬間接着剤。

光をあてると10秒で硬化する瞬間接着剤「アロンアルフア光」がおもしろい!

種類の多いアロンアルフアですが、ちょっと変わったタイプが登場していました。それが、今回紹介する「アロンアルフア光」です。これ、光をあてると10秒で硬化するユニークな瞬間接着剤なんです。

 瞬間接着剤はその名の通り、短時間で強力に接着できるのが特徴。多くの素材に使えるため、壊れた機器の修復から、プラモ作り、工作まで、幅広く活躍してくれます。

 

 この瞬間接着剤の代名詞ともいえるのが、アロンアルフア。通常タイプは木材や紙、陶器には染み込んでしまい使えませんが、そういった素材用には、粘度が高められている「木工用」を用意。このほか、軟質ビニールにも使える「速効多用途」、衝撃や振動に強い「耐衝撃」、耐水性や耐熱性に優れた「タフパワー」など、ラインナップの多彩さが魅力です。

 

 そんな種類の多いアロンアルフアですが、ちょっと変わったタイプが話題になっています。それが、今回紹介する「アロンアルフア光」(実売価格2050円)です。

 

紫外線硬化樹脂を使った接着剤とは違う!?

 「光をあてて硬化時間を短縮」という文言を見ると、紫外線硬化樹脂を使った接着剤かな? と思うわけですが、実はちょっと違います。

 

 まず、使用する光が青色だということ。紫外線は目に見えないため、照射中もずっと見てしまったり、光っているかどうかわからずライトをのぞき込んでしまう、なんてことをやりがちです。実はこれ、かなり目にダメージがあります。

 

 これに対してアロンアルフア光は、可視光となる青色の光を照射するため、見続けることが困難。そのため、ダメージを受けにくいわけです。

 

 もうひとつ、紫外線硬化樹脂を使った接着剤と違うのは、光をあてなくてもちゃんと硬化すること。そうです、通常の瞬間接着剤としても使えるのです。

 

 例えばプラモデルの場合を考えてみましょう。普通の接着剤だと時間で硬化するので、接合面に少量付けて押さえておけばOKです。

 

 これに対し紫外線硬化樹脂を使った接着剤は、紫外線をあてなければいつまでも硬化しません。通常、接合面には紫外線は届きませんから、硬化するのも周囲にハミ出た部分だけ。くっついたように見えても、ちょっと引っ張るとすぐに剥がれてしまいます。

 

 アロンアルフア光の場合は、光をあてればハミ出た部分が先に硬化し、内側は後から時間と共に硬化。10秒程度で素早くくっつき、後から強度も高くなるという、非常に使いやすいものとなっています。

 

 また、瞬間接着剤の大敵ともいえる白化を抑えられる(接着剤を塗った周辺が白くカサカサになってしまうアレです)、というのもメリットでしょう。

 

 わかりやすい例として、ワザと多くの接着剤を出し、アクリル板に乗せてみたのが下の写真です。

 

 左は通常の接着剤として使った場合。周囲が白くなってしまっているのが分かります。この点、アロンアルフア光といえど、従来の瞬間接着剤と変わりませんね。

 

 右はLEDライトを照射した場合。照射までに少し時間があったため、周囲がわずかに白っぽくなっている部分はありますが、明らかに白化が抑えられているのが分かります。

 

 全く同じ接着剤を使っているのに、ここまで変わるというのが面白いですね。

 

照射した場合と照射しなかった場合の違い

 流石に接着剤を平らな面にドンと出すだけという使い方はまずしませんから、もう少し現実的な例を試してみましょう。

 

 まずは、透明アクリル板の接着。1滴たらして透明アクリル板で挟んだ場合で比較してみます。最初に見て欲しいのは、LEDライトの照射はせず、そのまま硬化させた場合です。

 

 接着剤が行き届いている部分は透明ですが、よく見ると周囲が白くなってしまっています。通常、こういった材質の内側は見えないので気になりませんが、透明だとさすがに気になります。

 

 続いて、こちらがアクリル板で挟んでからLEDライトを照射した場合です。

 

 こちらは先ほどと違ってほぼ白化なし。こういった透明なパーツを取り付ける場合でも、接着剤を使い分けることなく、LEDライトでの照射をするだけで目立たせずに接着できるのが強みです。

 

 ちょっと盛り上げて隙間を埋めたいとか、透明パーツの凹みを修正したい、といった場合でも、LEDライトを照射すればOKです。

 

 ちなみに、LEDライトで照射すると表面はツルツルになりますが、そのまま硬化させるとガサガサに。主にホビー用途などで、この質感の違いをあえて使い分けるのも面白そうです。

 

 ケーブルやコネクターの破損部分を埋めて修理するなら、キレイに仕上がるLEDライトを照射するのがよさそうですね。

 

速効性のある光硬化と、手堅く使える自然硬化の二刀流

 普通の瞬間接着剤と、紫外線硬化樹脂を使った接着剤、2つ用意すればいいだけの話ではありますが、どちらの特性も持っており、これ1本でより幅広いシーンで使えるというのが強み。

 

 また、ケーブルの修理など、接着剤が隙間から奥に流れ込んでしまいがちなもので使うなら、光の届かない内部も後から硬化してくれるアロンアルフア光が有利です。内部に硬化していない接着剤が残ってしまうと、悪影響が出てしまうかもしれませんからね。

 

 なお、青色とはいえ可視光で反応するため、明るく光る電灯や日中昼間の屋外で使う際は注意しましょう。勝手に硬化し始めてしまう可能性があります。

 

●お気に入りポイント●

 

・透明パーツの接着でも白化が目立たない

 

・通常の瞬間接着剤としても使える

 

・光硬化時間は10秒程度と短い

 

この記事を書いた人──宮里圭介

 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。

 

文● 宮里圭介 編集●こーのス