「基準地価」公表 関西の最高値は「グランフロント大阪南館」 滋賀・大津市では待機児童問題に発展も

AI要約

基準地価が公表され、地価の上昇が暮らしに影響し始めていることが報じられた。

大阪市北区の「グランフロント大阪南館」が関西で最も高い基準地価を記録し、梅田エリアの再開発が地価上昇をもたらしていることが指摘された。

地価の上昇により、大津市では京都からの転出者が増加し、子育て世帯の増加と保育園待機児童の問題が深刻化していると報道された。

「基準地価」公表 関西の最高値は「グランフロント大阪南館」 滋賀・大津市では待機児童問題に発展も

 土地を取引する際の目安になる「基準地価」が公表されました。価格の上昇が暮らしに影響している地域も。

 土地の価格を都道府県が調査し、公表する基準地価。今年、関西で最も高かったのは…。

 大阪市北区の「グランフロント大阪南館」です。1平方メートルあたりの価格は2390万円!

 全国的に見ても、東京の銀座や丸の内など名だたる「高そう」な土地に次いで、6位にランクインしています。

 すぐ西側のうめきた2期地区には9月、「グラングリーン大阪」が開業したばかり。

 周辺にも商業施設やオフィスが入る「JPタワー大阪」がオープンするなど、梅田エリアの勢いは止まらず、地価にも反映された形です。

 さらに、梅田の再開発の影響を受けたエリアも。

 楠下一輝 記者

「今月開業したグラングリーンのすぐ近くの大阪市福島区は、大阪市内の地価上昇率で1位となりました」

 専門家は…。

 不動産鑑定士 山内正己さん

「梅田周辺の都市機能(開発)が進むことで、隣接の福島区の利便性が高まり、需要が高まった」

 地価の上昇が思わぬ影響を及ぼす場合も…。

 阿部頼我 記者

「JR大津駅にほど近いエリアですが、新しいマンションが数多く立ち並んでいます」

 駅周辺を中心にマンションの建設ラッシュとなっている滋賀県大津市。その裏には、利便性だけではないある事情が。

 お隣、京都の存在です。京都市は地価の上昇に伴い、マンション価格や賃料が高騰。その結果、市内に住むことが難しくなり、子育て世代の流出が深刻化しているのです。

 受け皿となった大津市には、京都市からの転出が2023年9月までの1年間だけで1000人以上の超過に。

 こうした影響もあり、人口が増加した大津市では、待機児童が2023年の30倍となる新たな問題が起きているのです。

 90人の定員に対して、常に100人以上の園児を受け入れている大津市内の保育園では、希望者をすべて受け入れることは難しいと言います。

 湖のこ保育園の山元均 園長

「1、2歳児さんについては、ずっとお待ちいただいている。0歳で申し込んでくる方もいる」

 市も対策に追われています。

 大津市保育幼稚園課 若林雄一 課長

「大津市を選んで来ていただいている子育て世帯に対して、不安に思っている家庭もあると思いますが、対策を立てたり、今後しっかりやっていきたいと考えております」

 地価の上昇には、単純には喜べない光と影が存在します。