酒田・大沢地区で感謝の「大」文字ライトアップ 豪雨被災からの復興目指し、児童も協力

AI要約

大雨被害を受けた酒田市大沢地区で、住民が山中に設けた「大」の文字ライトアップが始まる。

地区民と児童が協力して文字作りを実施し、思いを込めた文字が輝く。

被災者有志による応援の意味や感謝の表現として、ライトアップが行われる。

酒田・大沢地区で感謝の「大」文字ライトアップ 豪雨被災からの復興目指し、児童も協力

 7月の大雨により大きな被害を受けた酒田市大沢地区で、住民が山中に設けた「大」の文字ライトアップが12日、始まった。今年は被災のため実施が見通せなかったが、地区民への励ましと復旧活動に携わる人たちへの感謝を表そうと行った。この日は、地元八幡地域の八幡小と一條小の児童計39人が住民ら6人と共に急斜面に照明器具を設置。夜になると、鮮やかな7色で、思いを込めた文字が輝いた。

 大文字作りは、京都の「五山送り火」をヒントに大沢小(現八幡小)児童への応援メッセージとして地区民が2004年に始めた。縦横とも約30メートルで、地区のシンボルとして大沢コミュニティ振興会(後藤正一会長)が手入れし、18年からは地域振興事業に取り組む合同会社COCOSATO(ココサト)代表の阿部彩人さん(44)と、夏にライトアップしてきた。阿部さんは本紙「日曜随想」執筆者で、大沢地区を題材にした八幡小児童の学習にも携わっている。

 阿部さんら被災者有志は盆前に現地の草を刈り、文字がよく見えるように整えた。ライトアップは、後藤会長(72)らと可否を話し合い、住民への応援と復旧作業に従事する人たちへの感謝を伝えようと、行うことにした。地域の子どもたちから「大沢のために何かしたい」との声が寄せられていたこともあり、両校に協力を求めて、一緒に作業することになった。

 ライトアップには照明器具26基を使用し、青やピンク、黄色などカラー配置案は大雨被害前に小中学生などから募っていた。案は59件が集まり、住民らの投票で決めた。児童たちはこの日、各照明器具を竹に取り付けて斜面に固定。八幡小6年石垣莉央さん(12)は「参加できて良かった。達成感がある」、一條小6年阿部槙太さん(11)は「多くの人に見てもらえたらうれしい」と話した。

 今年も明るい光で夜に浮かんだ文字に、阿部彩人さんは「きれいに見えて最高だ。皆さんの元気になるのかなと思う。復興のシンボルとして大沢を照らしてほしい」と話した。ライトアップは10月上旬ごろまで続ける予定。後藤会長は「これからも地域を盛り上げていく」と話していた。