「他社で経験積んで成長」退職社員の再雇用『アルムナイ制度』企業が積極活用 取り組み広がる【静岡】

AI要約

「アルムナイ制度」は、退職した社員を再雇用する制度で、静岡県内の企業でも注目されている。

再雇用を通じて、元社員が戻ってくる事例や企業の活用事例が紹介されている。

アルムナイ制度の可能性や今後の展望について、専門家のコメントが述べられている。

「他社で経験積んで成長」退職社員の再雇用『アルムナイ制度』企業が積極活用 取り組み広がる【静岡】

一度、退職した社員を再雇用する制度が今「アルムナイ制度」と呼ばれ注目されています。「アルムナイ」は英語で「卒業生」人事分野では「元職員」という意味で使われる言葉で、静岡県内の企業でも取り組みが進んでいます。

静岡県焼津市内の建設現場です。焼津市内の高校の新しい校舎を建設しています。長房徹さん(34)です。長房さんは2年前に現在勤めている会社を退職しましたが、2024年5月「アルムナイ制度」を使って戻ってきました。

<橋本組 長房徹さん>

「一回辞めようかと思ったのは、完全に残業時間とか休日出勤とかが多かったので、それでちょっと今の生活に合わないなというところと、遠方への転勤、長期の転勤があったので、その辺を含めて辞めるということにした」

長房さんは、現在の会社を退職したあとほかの建設会社に転職。現場監督として、働いていました。ではなぜ、一旦退社した会社に再就職したのでしょうか。

<橋本組 長房徹さん>

「2社ほど転々と短い間に転職したけど、自分の思った感じでは仕事はできないなというのと、違う会社なのでやり方も違って、そこでのストレスとかやりにくさを正直一番感じた。何社か絞って、やっぱり橋本組だなと思って戻ってきた感じ」

人材紹介サービスを行う都内の会社が、企業の経営者や人事担当者など約300人に行ったアンケートです。再雇用をしたことがあると回答した企業が67%となっていて、多く企業が採用の手法の一つとして利用しています。

焼津市の橋本組はアルムナイ制度を積極的に活用している企業の一つです。「アルムナイ」という言葉が広がる前から再雇用を積極的に行っています。

<橋本組 橋本真典CEO>

「人間は環境が変わると絶対成長しますよね。他の会社に行った、そこで経験を積んで、成長している。その間、橋本組としては給料が払わなく済む。お金を一銭も使わずに成長した社員が戻ってくるということで」

橋本組には再雇用で採用した現役の社員が5人います。専門家は今後、アルムナイ制度は同業種の複数の企業間でも広がっていく可能性があるとみています。

<静岡大学人文社会科学部法学科 本庄淳志教授>

「一つの会社だけの退職者の人数には限りがあるので業界の人たちのネットワークみたいなもの、退職者のネットワークみたいなものであれば、プールできる人材の数が全然違ってくるので、向かっていく方向としては複数の企業でネットワークを作っていていく可能性もある」