市民に愛され半世紀…長崎・佐世保市役所の地下食堂が休業へ

AI要約

長崎県佐世保市役所の地下食堂が、9月いっぱいで休業することが決定した。食材費や光熱費の高騰を理由に運営業者が撤退し、次の運営者が見つからず困難な状況となっている。

市職員や一般市民に愛されて半世紀近く営業してきた食堂は、手頃な価格と美味しい食事で知られている。営業再開のめどは立っておらず、多くの来庁者が困惑している。

市は後継を公募しているものの、現時点で応募がなく、食堂の未来が不透明なままである。長年厨房に立つ女性も「誰かが引き継いでくれたら」と願っている。

市民に愛され半世紀…長崎・佐世保市役所の地下食堂が休業へ

 手頃な価格で市民にも愛されてきた長崎県佐世保市役所の地下食堂が、9月いっぱいで休業することが分かった。運営を受託する業者が、食材費や光熱費の高騰を理由に撤退するためという。市が引き継ぎ先を公募しているものの、現時点で応募はゼロ。10月以降の営業再開のめどは立っていない。

 食堂は1974年の庁舎落成時から、職員と一般市民向けに営業を開始。職員の福利厚生に向けた互助会が管理し、外部業者に運営を任せてきた。長らくは市内で飲食業を展開する庄屋フードシステムの「レストラン庄屋 佐世保市役所店」として運営され、2022年からは現在の「九州フーズ&ライフ」(同市松浦町)が受託してきた。

 市の職員課によると、同社が撤退を申し出たのは今年の6月末。食材価格などの高騰が主な理由と説明があったという。市は年度末までの継続を申し入れたが、調整は付かなかった。親会社の「ハーベスト」(横浜市)の担当者は取材に「コメントできない」と話した。

 互助会は8月19日から、市のホームページ上で後継を募っている。期限を今月13日までとし、12日時点で申し込みはないという。

 営業が始まって半世紀がたっても、手頃な価格とおいしさは変わらず、来庁者に愛されている。ちゃんぽんは600円。営業時間は平日午前11時半~午後3時半で、市職員が休憩に入る正午ごろが混雑のピークという。

 厨房(ちゅうぼう)に立って20年以上という女性は「常連さんが困ってしまうと思うので、誰かが引き継いでくれたら」と願った。

 一連の状況は、19日の市議会総務委員会で報告される。

 (古川泰裕)