故人しのぶ光、川面にゆらり 熊本市南区 川尻精霊流し

AI要約

熊本市南区川尻の加勢川で15日夜、江戸時代から続く精霊流しが行われた。精霊舟や灯籠が川面に浮かび、幻想的な雰囲気が漂った。

実行委員会によって主催され、雅楽の演奏や読経が行われながら約130隻の精霊舟や灯籠が浮かべられた。700メートルにわたる光の列が感動を呼び起こした。

昨年妻を亡くした男性が手作りした精霊舟も参加し、孫が絵を描いた屋根には感謝の気持ちが込められた。

故人しのぶ光、川面にゆらり 熊本市南区 川尻精霊流し

 熊本市南区川尻の加勢川で15日夜、江戸時代から続くとされる精霊流しがあった。花や果物などを載せた精霊舟や故人へのメッセージを書いた灯籠が川面に浮かび、周囲は幻想的な雰囲気に包まれた。

 地元有志でつくる実行委員会が主催。午後7時半ごろ、雅楽の演奏や読経とともに精霊舟約130隻や万灯籠、角灯籠が次々と浮かべられた。加勢川橋から新町橋までの約700メートルを、ゆらゆらと漂う光の列を見て涙ぐむ人もいた。

 昨年7月、33年間連れ添った妻を亡くした男性(62)=南区=は精霊舟を手作りし、屋根には孫が絵を描いた。男性は「妻は自分の葬式を自分で手配するようなしっかりした人だった。ありがとうという気持ちを込めた」と話した。(諌山美羽)