南海トラフ地震が起こったら…広島や山口の最大震度6強 山陽3県で死者最大約1万8千人

AI要約

宮崎県沖を震源とする8日の地震を受け、気象庁が初の「臨時情報」を発表し、南海トラフ巨大地震について注意を促した。

中国地方の広島、山口、岡山の3県での被害想定では、最大計約1万8千人の死者が出る恐れがある。

広島大の奥村晃史名誉教授は、避難の重要性を強調し、津波に備えることを呼びかけている。

南海トラフ地震が起こったら…広島や山口の最大震度6強 山陽3県で死者最大約1万8千人

 宮崎県沖を震源とする8日の地震を受け、気象庁が初の「臨時情報」を発表して注意を促した南海トラフ巨大地震。実際に起きれば、中国地方では広島、山口、岡山の3県で死者が最大計約1万8千人に上るなど甚大な被害が見込まれる。身近な地域の被害想定を知り、避難計画を立てるなど備えを再確認したい。

 3県の被害想定によると、最大震度は福山市や岡山市で6強、広島市や岩国市で6弱。死者数は、揺れで堤防が壊れるなどした場合、広島県1万4759人、岡山県3111人、山口県614人に上る。死因のほぼ9割を津波が占める。

 広島大の奥村晃史名誉教授(地震地質学)は、巨大地震では強い揺れが長く続くとし「最初の揺れで建物の下敷きにならないようにし、その後は津波に備え、高いビルや高台など安全な場所に急いで避難を」と促す。

 避難は徒歩が基本。車は液状化や渋滞で立ち往生する恐れがある。広島工業大地域防災減災教育研究推進センターの田中健路センター長は「自宅や職場付近の津波による浸水の深さ、避難施設などをハザードマップで把握し、家族などと避難方法を話し合ってほしい」と呼びかける。電話がつながりにくい事態も想定し、メールなどの連絡手段も共有しておきたい。