『最大16mの津波』到達予想の町 「高齢者施設」では『自力で避難できない入居者』の避難に課題感じながら必死の準備

AI要約

和歌山県で南海トラフ地震に備えて支援が必要な人々の避難が懸念されている。

白浜町の観光施設や高齢者施設が津波に備えて備蓄や避難訓練を実施している。

施設では高所に避難するための訓練や食料備蓄などが行われている。

『最大16mの津波』到達予想の町 「高齢者施設」では『自力で避難できない入居者』の避難に課題感じながら必死の準備

南海トラフ地震臨時情報が出されたが、大きな津波が想定される和歌山県では、『支援がないと避難できない人たち』の命をどう守るのか、備えを進める人たちから不安の声があがっている。

和歌山県白浜町は、南海トラフ地震で最大16メートルの津波が到達すると予想されている町だ。

町内にある観光施設「白浜エネルギーランド」は、自然エネルギーの仕組みを学んだり、白良浜が一望できたりと人気のスポットだが、避難経路を意識しながらの営業が続いていた。

白浜エネルギーランドが浸水する事態となれば、さらに高台の白浜町役場まで避難するということだ。

白浜エネルギーランド 堀彩夏さん:今までも津波への想定はあったんですけど、今回『巨大地震注意』という大きなきっかけがあったので、また再度見直しています。

施設を訪れる人も備えをしながらの観光だ。

兵庫から来た人:ちょっと迷ったけど、せっかく夏休みなのでどこか連れて行ってあげたくて、一応非常食とか飲み物とか持ってきてますね、多めに。

真っ青な海を望む白浜町の高齢者施設「成華苑」。 12の施設でおよそ330人の高齢者が生活している。

海抜はおよそ5メートル。 白浜町のハザードマップでは、南海トラフ地震が発生した場合、2~5メートルほどの津波が到達すると想定されている。 「南海トラフ地震臨時情報」を受け、施設では備えが進められていた。

成華苑 愛須政仁事務長:水、米、一緒に食べる練り梅、海苔の佃煮、こういう施設なので、障害のある方、普通のご飯を食べられない人もいるので、高カロリーのゼリー職員80名、入居者さん97名、3食を食べて1週間過ごせるように、1週間分の備蓄をここへすべて用意させて頂いている状況です。

この施設は6階建て。 津波を想定して最上階に備蓄庫を構えている。

備えは備蓄品だけではない。 避難を想定した訓練も実施している。

成華苑 愛須政仁事務長:誰でもセッティングできるように矢印に合わせて車いすをそのままロープで括りつけて、数人で引っ張るという訓練をしています。

こちらの施設の場合、南海トラフ地震で想定される津波では、最低でも3階以上への避難が必要になり、このような垂直避難の訓練を年に3回ほど行っているということだ。