「からだ全体がパンパンに腫れていて」爆発事故で亡くなった10歳息子...何年も受け入れられなかった母 福知山花火大会11年ぶり再開に「事故が二度と無いことを祈ります」

AI要約

福知山市の花火大会での爆発事故から11年後に再開された取材。

爆発事故で息子を失った遺族の心情や再開に尽力した主催者の活動が明らかに。

事故の悲劇や遺族の苦悩、再開の意義について描かれている。

「からだ全体がパンパンに腫れていて」爆発事故で亡くなった10歳息子...何年も受け入れられなかった母 福知山花火大会11年ぶり再開に「事故が二度と無いことを祈ります」

 3人が死亡、54人が重軽傷を負った京都府福知山市の花火大会での爆発事故。事故から11年となった今年、花火大会が再開されました。今回、事故で当時10歳の息子を失った遺族と、再開に尽力した主催者を取材しました。

 2013年8月、花火大会の会場だった由良川の河川敷で、露店の店主が発電機に給油しようとした際、高温になっていた携行缶からガソリンが噴き出して引火し爆発。3人が亡くなり、54人が重軽傷を負いました。

 京都府京丹波町に住む山名さん(50)は、この事故で当時10歳だった息子の空くんを亡くしました。冗談好きで人気者だったという空くん。少年野球チームでキャッチャーを務め、プロ野球選手になるのが夢でした。

 (山名さん)「暗くなるまで、友達と『キャッチボール、野球しよう』って本当にランドセルをぽいっと投げ捨てて。そういう毎日でしたね」

 あの日、空くんは祖父や友だちと花火大会に出かけ、大好きだった露店の近くにいて爆発に巻き込まれました。病院に運ばれましたが、全身に大やけどを負っていました。

 (山名さん)「(病院で)カーテンを開けたときに、からだ全体がもうパンパンに腫れていて、髪の毛もチリチリで、ところどころ皮膚がべろんってめくれた状態だった。『管を通すからもうしゃべれないので、今のうちにしゃべっておいてください』と言われて、『空』って言ったときに、『母ちゃん』って言って、それもかすれた声だったんですけど」

 空くんは4日後に亡くなりましたが、山名さんは何年も受け入れられなかったといいます。

 (山名さん)「『必ず帰ってくる』というのが頭の中で何年か続いていて。みんなと同じようにごはんとおかずを全部作っておいてやって…。空も『いつまでも泣くな』って言っているやろなとか、そうやって思っていかないと生きていけない」

 楽しいはずの花火大会で起きた悲劇。事故以来、福知山市内で露店が出る大規模な花火大会が開催されることはありませんでした。