創成館 1点守り抜く エース村田、無四球完封 全国高校野球選手権大会

AI要約

長崎県代表の創成館が白樺学園を1-0で破り、昨夏に続いて初戦突破を果たす。他にも早実、鶴岡東、大社が2回戦進出を果たす。

創成館はエース・村田の完封ピッチングと堅守で勝利。次戦は選抜準優勝の報徳学園と対戦する。

試合では常に「普段通りの野球」を貫く創成館が相手のミスを逃さず一点を奪い、堅守でリードを守り抜いた。

創成館 1点守り抜く エース村田、無四球完封 全国高校野球選手権大会

 全国高校野球選手権大会第5日は11日、甲子園球場で1回戦4試合が行われ、長崎県代表の創成館は白樺学園(北北海道)に1-0で競り勝ち、昨夏に続いて初戦を突破した。長崎県勢の初戦突破は5大会連続。早実(東京)、鶴岡東(山形)、大社(島根)も2回戦に進んだ。

 創成館は三回1死から、1番山口が右翼線へはじき返し、右翼手がボールを後逸する間に一気に三塁へ進塁。続く向段の左犠飛で1点を先制した。先発村田は散発6安打無四球で完封。打たせて取る投球で1点を守り抜いた。村田は長崎大会決勝の清峰戦に続いての完封勝利。

 早実は鳴門渦潮(徳島)を8-4、鶴岡東は聖光学院(福島)を2-1で下した。大社は2年連続選抜大会準優勝の報徳学園(兵庫)を3-1で破り、夏の甲子園で63年ぶりの勝利を挙げた。

 第6日からは2回戦に入り、創成館は第9日第4試合(15日15時45分)で大社と対戦する。

◎貫いた「普段通り」

 どんな大舞台でも「普段通りの野球」を貫ける。そんな強さを見せつけた試合になった。狙い通りの「先行逃げ切り」で白樺学園(北北海道)に1-0で競り勝った創成館。相手のミスを逃さずに1点を奪い、鍛え抜いてきた堅守でそれを守り抜く。稙田監督は「上出来。全員で1点を守ろうという気迫が伝わってきた」と充実した表情で試合を振り返った。

 エース村田の快投が勝利の原動力だった。90キロ台のカーブに、最速138キロをマークした直球。この緩急と低めを突く丁寧な投球でバットの芯を外した。稙田監督が「今までで一番の投球なんじゃないか」と評したように、無四球完封という圧巻のピッチング。「序盤は直球の球威、終盤は外角の出し入れで勝負させた」という捕手小副川の巧みな配球も光った。

 バックも見事だった。白樺学園の打者をしっかりと分析していた。四回2死二塁の場面。二遊間の向段、小森山は極端に二塁ベース寄りに守備位置を変えた。「捕手の配球はスライダー。この打者の打球はセンターに飛んでくる可能性が高い」。その読み通りに打球は二塁ベース上へ。普通ならば中前へ抜けていそうな当たりを、いとも簡単にさばいた小森山は「朝から晩までビデオを見返した。自信はあった」と笑顔で胸を張った。

 次の相手は選抜準優勝の報徳学園(兵庫)を倒して勢いに乗る大社(島根)。厳しい戦いも予想されるが、村田は「創成館らしい守り勝つ野球をするだけ」とひと言。エースの短い言葉に確かな自信がみなぎっていた。