【鹿児島県震度5強】夏休みを襲った揺れ…観光地やスポーツイベントを直撃 一部キャンセルはあったが「過剰に恐れないで」

AI要約

鹿児島県内で発生した最大震度5強の地震の翌日、大崎町と志布志市では被害の復旧作業が進められている。

地震の影響を受けた観光施設も再開し、夏の日常を取り戻す動きがある一方、宿泊キャンセルに対する戸惑いもある。

被災者は心配しながらも備えを整え、復旧に向けた取り組みが行われている。

【鹿児島県震度5強】夏休みを襲った揺れ…観光地やスポーツイベントを直撃  一部キャンセルはあったが「過剰に恐れないで」

 最大震度5強の揺れが鹿児島県内を襲った地震から一夜明けた9日、家屋倒壊などの被害が相次いだ大崎町と志布志市では被災者らが復旧作業を進めた。観光施設も再開し、夏の日常を取り戻す動きがある一方、宿泊キャンセルへの戸惑いも聞かれた。

 志布志市では県内外から約75校集う恒例の高校サッカーフェスティバルが開催中。8日は地震後に試合を取りやめたが、9日は市教育委員会が各チームに避難場所の確認などを周知し実施した。福岡県の顧問の男性(36)は「大きな余震があれば、帰ることも考えた。生徒のことを思えば出場できてよかった」とほっとした表情。それでも7校は地震を理由に参加を取りやめた。

 同市のダグリ岬遊園地は、安全点検し午後から営業を再開。串間市の志布志湾海の駅イルカランドは朝礼で避難誘導を確認した後、通常通り開園した。3連休はイルカのオリンピックショーで観光客を迎える。

 大崎町のくにの松原キャンプ場では被害は確認されなかったものの、地震の影響を懸念したとみられるキャンセルが数件発生。「津波は大丈夫か」「建物が倒壊したのか」。誤った情報に基づく問い合わせも寄せられた。管理人の堀之内裕行さん(61)は「普通に生活する分には何も影響はない。正しい情報に基づいて、過剰に恐れないでほしい」と話した。

 志布志市の崖崩れ現場近くに住む清家美津子さん(80)は避難先の市役所から早朝家に戻り、着替えや簡易トイレをリュックサックに詰めた。「心配は続くが、しっかり備えたい」

 大崎町では倒壊した家屋の撤去が始まった。近くの飲食店「喜楽本店」は食器などが散乱した厨房(ちゅうぼう)の片付けや予約を断る連絡に追われた。小牟田詔子さん(80)は「水道も使えず、営業は断念した。皆さんに気に掛けていただいていることがありがたい」と感謝した。