イスラエル不招待で…平和祈念式典に米英などの大使が欠席 鈴木市長「政治的な理由でない」

AI要約

イスラエルを招待しなかった平和祈念式典に関する問題について、鈴木市長は政治的理由ではないと強調。欠席するアメリカやイギリスなどの大使に対し、理解を求める姿勢を示す。

欠席する大使らは、イスラエルの招待を求める書簡を市に送ったが、イスラエルは招待されず。市長は不測の事態リスクなどを考慮して決定を維持。

被爆者はイスラエルの参加を問題視。市長の決定を支持する声も。欠席する各国は代理人を送る方針。

イスラエル不招待で…平和祈念式典に米英などの大使が欠席 鈴木市長「政治的な理由でない」

9日の平和祈念式典にイスラエルを招待しなかったことを理由に、アメリカやイギリスなどの駐日大使らが欠席することに対し鈴木市長は招待しなかったのは、「政治的な理由ではない」と強調しました。

あす長崎市で行われる平和祈念式典について、市はパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルの駐日大使を招待していません。

これに対し、アメリカやイギリスなど日本を除くG7の主要6カ国とEU=ヨーロッパ連合の駐日大使が連名で「ウクライナ侵攻を理由に招待していないロシアやベラルーシとイスラエルを同列に置くことは遺憾で誤った印象を与える」として、イスラエルの招待を求める先月19日付の書簡が市に届いたということです。

書簡を受け取ったのちに市がイスラエルを招待しないと決めたことで核保有国であるアメリカやイギリス、フランスを含む主要6カ国やEUの大使が欠席の意向を示しています。

鈴木長崎市長                                 「あくまでも政治的な理由ではなく、平穏かつ厳粛な雰囲気の下で、式典を円滑に実施したいということで、不測の事態の発生のリスクなどを総合的に勘案しまして、イスラエル大使に招待状を発出しないという判断をいたしましたその判断に変更はありません」

鈴木市長は欠席意向の大使らには                        「口頭で説明して理解を求めた」と明かした上で、「十分に理解されず、平行線のところはある」「引き続き粘り強く説明し、理解を求めたい」と述べました。

駐日大使が一斉に欠席する事態となったことに被爆者は…

被爆者・長崎原爆被災者協議会 田中重光会長(83)               「イスラエルで起きていることをEUとかG7の首脳たちがどう見ているのかと。あれは当たり前なんだと見ているのか。私たちとは180度見方が違うと思います。私はどういった国であろうと人を殺す行為には反対です。そういう戦争国が参加して、亡くなった被爆者たちは喜ぶのかと。喜ばないと思いますよ」

そのうえで、田中会長は「市長がとった態度は正しい」と話しました。

駐日大使が欠席する各国などはそれぞれ公使や地方の総領事などを代理で出席させる方針です。