「他人ごとではない」能登半島地震から学ぶ 富士山の麓の観光地の課題 

AI要約

能登半島地震から7か月が経ち、開催できなくなった石川県の「輪島朝市」が山梨県内で出張開催されました。

イベントでは、観光地の防災意識を高める取り組みが行われ、災害時に観光客への適切な対応マニュアルの不在が課題として浮き彫りになりました。

イベント当日には中学生が協力し、被災地支援のために手作りのお守りキーホルダーを販売し、売り上げを寄付する取り組みも行われました。

元日の能登半島地震からきょう8月1日で7か月。

防災シリーズ「あすへの備え」をお伝えします。

開催できなくなった石川県の「輪島朝市」を出張開催し、観光地の防災について考えてもらおうという取り組みが山梨県内で行われました。

安心安全な観光地を作るためにどんなことが必要なのでしょうか。

7月末、山梨県忍野村の忍野八海で開催されたイベント。

石川県の「輪島朝市」です。

正月に起きた能登半島地震による大規模火災の影響で商いの場所を失ったことから、全国各地で出張開催しています。

今回、県内で初めて開催を企画したのは村のボランティア団体「忍野 spark team」です。

忍野spark team 天野武彦リーダー:

「非常に多くの観光客が訪れる場所。富士山の噴火や南海トラフ地震、河川の氾濫(が懸念されるため)決して安全な場所と言えない地域」

去年村を訪れた観光客は外国人を中心に約10万人。

コロナ禍前に比べても増加しています。

しかし村には災害発生時に観光客に対応するためのマニュアルがありません。

忍野 spark team 天野武彦リーダー:

「同じ観光地として他人事ではないと思うので、対策とか防災の意識を村の皆さんに深めてもらおうと思い、イベントを企画した」

イベントでは防災を考えてもらうことに加え、被災地支援という狙いもあります。

今回、村の中学生に協力を求めました。

中学生は「家内安全」や「無病息災」などを祈願し小正月飾りとして作られる村伝統のお守り「ひいち」をかたどったキーホルダーを一つ一つ手作り。

これをメッセージカードと一緒に販売し、売り上げを全額、被災地に寄付することにしたのです。

子ども:

「いらっしゃいませ」

イベント当日は100人を超えるボランティアが協力。

輪島の海水からとった「にがり」と村の水で作った豆腐、それに輪島塗の箸やお椀などを販売する10のブースが並びました。

「輪島市朝市組合」からもおよそ10人が駆け付け、商品の魅力などを伝えます。