中3国語の3位最高 全国学力テスト 富山、全教科平均超え

AI要約

文部科学省が2024年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表。富山県の小6と中3の平均正答率が全国平均を上回ることが明らかになった。

富山市教委も同様に小6と中3の平均正答率を公表。各教科で全国平均を上回る結果となり、特に算数と数学で高い成績を残した。

アンケート結果から、富山の児童生徒のゲームやSNSに費やす時間が全国平均よりも少ないことが明らかになり、家庭学習の促進が課題として挙げられた。

中3国語の3位最高 全国学力テスト 富山、全教科平均超え

 文部科学省は29日、小学6年と中学3年を対象として4月に実施した2024年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。平均正答率を都道府県別にみると、富山は中3国語の3位が教科を通じて最高で、中3数学は4位、小6国語は7位、小6算数は8位で、2年ぶりに全科目で全国平均を上回った。

 富山の各教科の平均正答率は小6で国語が69%(全国68%)、算数が64%(63%)、中3で国語が60%(58%)、数学で56%(53%)だった。県教委は、小中学校の全ての教科で全国平均を上回り、一定の学力水準は確保されているとの見方を示した。

 県教委によると小6では、国語で物語の全体像を具体的に想像したり表現の効果を考えたりする問題、算数で球の直径と立方体の辺の長さの関係を捉え、立方体の体積の求め方を表す問題で無解答率が高かった。

 中3は、国語で話し合いの話題や展開を把握しながら自分の考えをまとめる問題、数学で事象を数学的に解釈し、解答法を説明する問題で正答率が低かった。

 今年度の学力テストは4月18日に行われ、富山の公立学校では小中学校、義務教育学校、特別支援学校計255校の1万4862人が受けた。

  ●3教科で全国上回る 富山市

 富山市教委は29日、市内の小学6年生と中学3年生の全国学力テストの結果を公表し、教科別の平均正答率は小6の国語が全国平均と同じで、小6の算数と中3の国語、数学は全国より高かった。県平均との比較では小6の国語が下回り、ほかは同じだった。

 市内の平均正答率は小6国語が68%、算数が64%、中3の国語が60%、数学が56%だった。62小学校1分校の2982人、25中学校1分校の3002人が参加した。

 29日に成績が公表された今年度の全国学力テストとともに文部科学省が実施したアンケートで、学校の授業以外での平日の学習時間について「2時間以上」と答えたのが、富山の小6で14・7%、中3で21・1%だった。いずれも全国平均である小6の23・5%、中3の31・7%を下回った。県教委はゲームやSNS(交流サイト)に多くの時間を費やしているとし、家庭学習の定着を課題に挙げた。

  ●ゲーム、SNSの時間多く 家庭学習、「2時間以上」全国下回る

 平日に授業以外の勉強を「全くしない」と答えたのは富山の小6で3・1%、中3で4・8%だった。一方、ゲームに1日2時間以上を費やす児童生徒の割合は小6が51・3%、中3が48・4%とおよそ半数に及んだ。SNSや動画を1日2時間以上視聴する子どもの割合は小6は33・8%、中3は55・0%だった。

 県教委は、ゲームやSNSに使う時間は全国平均と大きな差はないとした上で、子どもの健やかな成長には家庭での働き掛けが重要であり、帰宅後の時間の使い方を、子どもと保護者で話し合うように促すと強調した。

  ●日々の幸せ実感9割

 「普段の生活の中で、幸せな気持ちになることがあるか」の質問では「よくある」「ときどきある」の合計が富山の小6は91%、中3は90・6%で全国と同水準だった。県教委は引き続き教育を通じてウェルビーイングの向上を図るとした。