煮るととろける柔らかさに 滋賀県南部の伝統野菜「杉谷なすび」の出荷始まる

AI要約

滋賀県甲賀市で「杉谷なすび」の出荷が始まった。つやのある丸々とした実が人気で、農家が丁寧に収穫している。

杉谷なすびは形状が特徴的で、皮が柔らかく煮ると柔らかい食感になる。出荷先のJAこうかで人気が高い。

杉谷なすびの栽培は現在5軒のみで、茎の補強が手間がかかる。収穫は9月下旬まで続く予定。

 滋賀県甲賀市の伝統野菜「杉谷なすび」の出荷が始まった。同市甲南町杉谷地域の農家が、つやのある丸々とした実を選んで収穫している。

 杉谷なすびは、巾着を絞ったような独特の形で、直径約10センチ、重さ300~400グラムに育つ。皮が柔らかく肉質はきめ細かいため、煮るととろける柔らかさになる。出荷先のJAこうかでは午前中に売り切れるといい、人気が高い。

 杉谷地域で江戸時代から栽培されてきたが、実が大きくなると茎が折れるため、ひもで補強するのに手間がかかり、現在栽培するのは5軒のみという。

 収穫は今月中旬から始まり、上杉広盛さん(67)の畑4アールでは毎日午前5時半ごろから、つやがあり締まった実を選んで収穫している。「近年は初夏から夏にかけての気温が高すぎて管理が難しくなった」と上杉さんは話す。

 盆頃にピークを迎え、9月下旬まで収穫されるといい、同市水口町のJAこうか花野果市などで販売されている。