鹿児島県 当部「あがりまたまつり」 クロウサギの里に歓声 ソーメン流しも復活 天城町当部

AI要約

徳之島天城町当部集落で行われた「あがりまたまつり」は、子どもたちを中心に楽しい交流イベントとなった。

湧水池前で開催され、昔の玩具作りやソーメン流しなど様々なアクティビティが行われ、地元の郷土料理も堪能できた。

地域の交流を促進するイベントで、子どもたちの活気が集落に満ち溢れた。

鹿児島県 当部「あがりまたまつり」 クロウサギの里に歓声 ソーメン流しも復活 天城町当部

 【徳之島】天城町当部(とうべ)集落(武田久夫区長)で27日、同町南部地区推進協議会主催の交流イベントとして第7回「あがりまたまつり」があった。世界自然遺産と奄美群島国立公園エリアが連なり、国指定特別天然記念物アマミノクロウサギが庭先にも遊びに来る「クロウサギの里」。昔の玩具作りや郷土料理、ソーメン流し試食会などを通じ、子どもたちの歓声が山あいにこだました。

 会場は、当部集落名物の湧水池「東又泉(あがりまたいじゅん)」前広場。かつて陸の孤島・限界集落視された典型的な過疎集落の一つだったが、町が空き民家を再整備して運営委託した「茶処(どころ)・あがりまた」の登場し、そして定住促進対策で7年前に同集落唯一の小学生(当時1年生)が転入したのを機にまつりがスタートした。兼久小学校(児童数63人)の校区子ども育成会などを挙げた交流行事に定着させている。

 今年も子どもたちや保護者、住民など合わせ同集落人口(56人)の2倍にあたる約100人が参加。台風の影響が収まり、久々に広がった青空の下、子どもたちは大人たちの指導で青竹を使った水鉄砲やツワブキ葉の帽子づくりなどにも挑戦した。

 休憩・おやつタイムでは、同集落の女性部員たちが調理した赤ウリの漬物、ドーナツ、ソーダ餅(黒糖ふくれ菓子)、昼食タイムには「昔のごちそうのシューツケウァーシ(塩漬け豚肉)」のおにぎりおにぎりを試食した。コロナ禍で中断していた青竹ソーメン流しも復活した。

 兼久小5年生の若山杏蓮(あれん)さんと石原美哉(みや)さんは「昔のおにぎりはおいしかった。ソーメン流しも楽しかった。やっぱり最後のかき氷も大好き」と話し、天然素材を使った昔の玩具作りは「葉っぱの帽子ができて楽しかった」とにっこり。

 郷土料理やおやつを再現した集落女性部の武田わか子さん(77)は「集落には本土から移住して来られた方々(5世帯12人)のお子さんは数人いるが、地元出身の子はいない。まつりの時だけでも、子どもたちの元気な声が集落中に響くと、私たちじじ・ばばの活力にもなる」と目を細めていた。