伝統神事「神舞」8年ぶりの開催へ準備 高齢化で規模縮小も伝統継承へ若手が活躍 

AI要約

山口県上関町の離島・祝島で1100年以上続く伝統の神事「神舞」が8月16日から始まる。新型コロナの影響で8年ぶりの開催となる。高齢化や人口減少の逆境で、若い世代も神事の準備に参加し、島の伝統を守ろうとする動きが進んでいる。

島の神事にかかわる作業として、苫編みと呼ばれる伝統的な技術があり、島の人々と地元の学生が協力して作業を行っている。今年の目標は10枚の苫を作ることで、昔は400枚ほど作られていたが、作成人数の減少で規模が縮小されている。

神事の準備や設置にも高齢化や人口減少の影響が現れ、所要時間が増加している。神事の様式や規模は変化しているが、島の伝統を守るために新たな取り組みが行われている。

伝統神事「神舞」8年ぶりの開催へ準備 高齢化で規模縮小も伝統継承へ若手が活躍 

山口県上関町の離島・祝島では、1100年以上続く伝統の神事「神舞」が、8月16日から始まります。

4年に一度行われるのですが、新型コロナの影響でことしは8年ぶりとなります。

人口減少や高齢化が進む逆境の中、島の伝統を守ろうと、若い力を借りながら準備が進められています。

■人口300人弱の島の神事

上関町の室津港から、定期船でおよそ40分。離島、祝島。

270人ほどが暮らす小さな島で、その8割近くが高齢者です。

島のシンボルでもあり、石と土を積み上げて作られた「練塀」。

国内でも珍しいとされる「練塀」の横で、地元の人と上関中学校の生徒が、一緒に作業を進めていました。

祝島の女性

「先こっちからして、それをこっちからして」

生徒

「交互?」

祝島の女性

「交互にやっていきます」

祝島の女性

「上手上手!私はいま褒めよるのよ」

記者

「頼もしいですね!」

祝島の女性

「ね!祝島に来てもらっては、手伝ってもらおう」

昔ながらの道具を使い、干したカヤを重ねて編んで作る「苫編み」です。

縦90センチ横1.8メートルもある大きな1枚を作るのに、2、3日はかかるということです。

島に活気があったころ、この「苫編み」は家庭行事のようなものでしたが、ことしの作成目標は10枚です。

祝島神舞奉賛会 木村力 会長

「1軒1枚くらいで、400枚くらい作っていたときがあるようですね」

記者

「10枚になった理由というと、どんなところがありますか?」

木村会長

「作れる人が年とって、たくさん作れなかった」

■人口減・高齢化で規模縮小

4年に一度の「神舞」で、神楽が奉納される「仮神殿」の様子です。

この「仮神殿」は屋外に設置されるため、「苫」は屋根の役割をしていました。

ただ、ことしは、「仮神殿」が屋外ではなく屋内での設置となるため、「苫」は、本来の屋根としてではなく、神棚の周りに飾りつけられる予定です。

押しよせる人口減少や高齢化によって、規模の縮小はやむを得ないことです。

木村会長

「仮神殿の設置はこれまでなら1日か2日で一斉に仕上げると。そのときはもうそれに集中して、仕事はもう置いておいて作るというかたちになります。それが今ならもう、例えば20人なら1週間ぐらいは、かかるかもしれません。労力がちょっと足りないというのが、1番大きな要因ですね」