郡上八幡町歩き、好みの水でコーヒーづくり 「水出しプロジェクト」コロナ禍経て再始動

AI要約

「水のまち郡上八幡」の湧き水や井戸水を巡り、水出しコーヒーをつくる「郡上発!水出しプロジェクト」が、新型コロナウイルス禍を経て再始動した。

オーガニック・フェアトレード専門のコーヒー焙煎会社の代表が、水の大切さを発信するために始めたプロジェクト。

八幡町のおいしい水でつくった水出しコーヒーを楽しむツアーも実施され、自然の水の豊かさを感じることができる。

郡上八幡町歩き、好みの水でコーヒーづくり 「水出しプロジェクト」コロナ禍経て再始動

 “水のまち郡上八幡”の湧き水や井戸水を巡り、水出しコーヒーをつくる「郡上発!水出しプロジェクト」が、新型コロナウイルス禍を経て郡上市八幡町で再始動した。専用ボトルとコーヒーパック、水くみマップを手に、町歩きを楽しみながら、郡上の水の豊かさに触れてもらう企画だ。

 この事業は、オーガニック・フェアトレード専門のコーヒー焙煎(ばいせん)会社「Slow Coffee(スローコーヒー)」(千葉県松戸市)代表の小澤陽祐さん(48)が郡上市に移住して始めた。

 小澤さんは、東日本大震災で飲料水が不足した経験を機に、水の大切さを再認識し、水があることの豊かさを発信したいと考えるようになった。妻の出身地の郡上を訪れ、環境省の日本の名水百選に挙げられる「宗祇(そうぎ)水」をはじめ、町の至る所に水路があり、山の水や湧き水を引き込んで蓄えておく「水船」や洗い場がある、水と密接した暮らしや文化に感動。2016年に移住し、事業を立ち上げてクラウドファンディングで支援を募った。

 18年に発売したが、新型コロナウイルス禍の影響もありいったんは休止。23年にコーヒースタンド「かわべのコーヒー酒場」(同市八幡町本町)を開き、そこを拠点として、今年6月に事業を再び始めた。

 八幡町のまちなかにある井戸水や湧き水、おいしい水道水を案内して、水出しコーヒーをつくるツアーも実施。鉄分の含有量など場所によって水の味が異なるといい、参加者は好みの水を選びながら自分だけのコーヒーづくりを楽しんだ。

 おいしい水でつくった水出しコーヒーは、滑らかでまろやかな味わいといい、小澤さんは「水があるということは本質的に豊かだということ。自然の水に触れて、都市部の『豊かさ』とは違う田舎の『豊かさ』も知ってほしい」と話す。

 水出しコーヒーセットは「かわべのコーヒー酒場」と郡上八幡旧庁舎記念館で2300円で購入できる。