熊本市電延伸、東部、南熊本駅、田崎方面も検討 熊本市、高齢化や渋滞に対応 

AI要約

熊本市は市電の新たな延伸を検討する方針を示し、3つの方面で延伸の是非を検討する。市は公共交通ネットワークの機能強化を図り、四つの軸で新たな市電の延伸を検討する。調査項目を詰め、延伸ルートの具体化の時期は未定。特別委では公共交通への積極投資が促された。

熊本市電延伸、東部、南熊本駅、田崎方面も検討 熊本市、高齢化や渋滞に対応 

 熊本市は23日の市議会特別委員会で、市電の新たな延伸を改めて検討する方針を示した。現在、東区で計画している健軍町電停から市民病院までのルート(仮称・東町線)に加え、東部、南熊本駅、田崎の3方面で延伸の是非を検討する。急速に進む高齢化や渋滞の慢性化などに対応する狙い。

 市電の延伸を巡っては、市は2015年度に「自衛隊」「南熊本駅」「産業道路」「田崎」「沼山津」の5ルートで検討に着手。概算事業費や収支、利用の見込みなどから、17年度に「自衛隊」を最優先とし、東町線(約1・5キロ)として整備を計画している。一方、他の4ルートについては当時、「延伸の必要性が消えたわけではない」としていた。

 市は特別委で、定時性や速達性、輸送力に優れた鉄軌道を基本に公共交通ネットワークの機能強化を図る方針を示し、鉄道が通っていない小峯・長嶺、健軍・益城、嘉島・城南、小島・城山の四つの軸で、新たに市電の延伸を検討するとした

 市は今後、ルート選定に向けた調査項目などを詰め、東町線についても、さらなる延伸を含めて検討対象とする方針。鉄道と市電、バスの乗り換え機能の強化や、乗り合いタクシーなどコミュニティー交通の充実も図る。延伸ルートの具体化の時期については「未定」と説明している。

 特別委では、委員から公共交通への積極投資を促す意見のほか、「延伸は厳しい」としてバスの専用レーン整備を提案する声も上がった。(臼杵大介)