最低賃金引き上げ「悪代官みたいだ」 島根県の丸山知事、5%増と中小企業の実態乖離を問題視  「達成できる状況をつくれていない」

AI要約
中央最低賃金審議会が最低賃金を5%増の時給1054円とする目安を取りまとめたが、島根県の丸山知事は中小企業の賃上げ環境が厳しいと指摘し批判。厚労省の調査でも中小企業の賃金上昇率が過去最高の2・3%増を示した。政府に矛先を向け、中小企業の体力を考慮するよう求めた。
最低賃金引き上げ「悪代官みたいだ」 島根県の丸山知事、5%増と中小企業の実態乖離を問題視  「達成できる状況をつくれていない」

 中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)が最低賃金の全国平均を約5%増の時給1054円とする目安を取りまとめたことを受け、島根県の丸山達也知事は25日の定例会見で、中小企業に賃上げする環境が整っていないと指摘し、「苦しむことを分かっていて引き上げていく。『悪代官』みたいな感じだ」と批判した。

 厚生労働省は、従業員30人未満の中小企業を抽出し、1人当たりの今年6月の賃金を前年同月と比較した調査を実施。5149社から回答を得て、上昇率は前年比2・3%増と過去最高となった。

 丸山知事は、中央最低賃金審議会が決めた最低賃金上昇率約5%と厚労省の実態調査2・3%がかけ離れている点を問題視し、「中小企業の体力を超えた賃上げだ。平均的な企業は対応できない」と指摘。政府に矛先を向け、「達成できる状況をつくれていない。政治の責任だ」と断じた。

 物価高が進み、実質賃金が下がり続ける中で「最低賃金の引き上げは社会にとって望ましい」と前置きした上で「やるべき環境をつくられていないのに、強行しようとしている点が最大の問題だ」と強調した。