熊本地震からの復興、動画と冊子に 九州農政局の若手職員が作成、能登の被災農家に配布へ

AI要約

能登半島地震で被災した農業者を応援するため、九州農政局の若手職員が熊本地震を経験した農家のメッセージを集めた。熊本の生産者が再建する歩みを紹介し、復旧・復興に役立てる取り組みを行った。

九州農政局の若手有志12人でつくる応援チームが、熊本市や西原村など6戸の被災農家を訪れ、熊本地震での被災状況や復興の取り組みを調査。その結果を動画や冊子にまとめ、被災者に届けるために情報を共有した。

熊本での事例を通じて、南阿蘇村の棚田や清住フラワーファームの状況などが紹介された。畑の大区画化や高収益作物の導入など、被災農家たちが復旧・再建に向けた努力や工夫を立証し、他の被災地の農家にも勇気やヒントを与えることが期待される。

熊本地震からの復興、動画と冊子に 九州農政局の若手職員が作成、能登の被災農家に配布へ

 能登半島地震で被災した農業者を応援しようと、九州農政局の若手職員が、熊本地震を経験した農家のメッセージを集め動画と冊子を作成した。「希望を持って」といったエールとともに、熊本の生産者が再建するまでの歩みを紹介。復旧・復興に役立ててもらう。

 若手の有志12人でつくる応援チームで企画。熊本市や西原村などの稲作、野菜、花き、畜産農家6戸を訪ね、熊本地震での被災状況や復興に向けた取り組みを聞き取り、動画やA4判10㌻の冊子にまとめた。

 事例のうち南阿蘇村の乙ケ瀬地区は、山腹崩壊で棚田に土砂が流入し稲作ができなくなった農地を大区画化。ハクサイといった高収益作物を導入した。カーネーション5万鉢超が倒伏した清住フラワーファーム(甲佐町)は、給水設備が損壊し自力でハウスに水を引いた。「早く仕事が再開できるよう時間を意識した」との生産者の声も添えた。

 動画はユーチューブで公開。冊子は北陸農政局などを通じ被災者に配布する。九州農政局食品企業課の須藤のどかさん(23)は「取材を通して、災害からの復旧・復興の厳しさを感じた。能登も道は険しいと思うが、熊本から応援したい」と力を込めた。(馬場正広)