麻刈り取りの安全を祈願 三重・明和 斎宮平安の杜で

AI要約

麻の栽培復活を祈願する刈取神事が行われた。

麻の栽培プロジェクトが町や大学、企業などと連携し、普及を図っている。

今年は改良を加えた結果、麻の成長が順調で豊作が期待されている。

麻刈り取りの安全を祈願 三重・明和 斎宮平安の杜で

 長く途絶えていた麻の栽培を復活させて麻の聖地を目指す「天津菅麻(あまつすがそ)プロジェクト」の一環で連携する三重県多気郡明和町や明和観光商社、私立皇學館大学などは21日午前10時から、斎宮の史跡斎宮跡のさいくう平安の杜(もり)の西脇殿で、麻の順調な成長と刈り取りの安全を祈願する刈取神事を行った。

 同プロジェクトは昨年度から、町有地や農地で大麻草を栽培し、麻に関わる歴史、文化、伝統の復興と、それらにまつわる新たな産業創生を目指して産学官で取り組みを始めた。

 昨年度は、初の試みとあって作柄は低調だったが、2年目の今年は土をやわらかくし、土を起こして雑草を生えにくくするなど改良した結果、3千平方メートルの畑で高さ3メートルを超えるまでに成長した。関係者は「4月の種蒔(まき)神事から3カ月がたち、無事、麻が収穫期を迎えた。麻栽培が軌道に乗り、豊作となった」と安心している。

 この日は下村由美子町長、新田均皇學館大学教授、明和観光商社の千田良仁代表理事(48)=斎宮=ら関係者をはじめ一般の見学者ら約60人が参列。竹神社=同=の樋口利江子宮司によって神事が営まれ、麻を引き抜く様子を模した「刈取の儀」などを経て、千田代表理事の「弥栄(いやさか)」の発声で締めくくった。

 千田代表理事は、今後について「担い手育成のための研修プログラムを実施したり、ワークショップやイベントなどをして、伝統文化の継承や麻の聖地としてのブランディングを進めていきたい」と話した。

 刈り取りは天候などを踏まえて後日行う。