京アニ事件からあすで5年 犠牲者36人の志が刻まれた碑が完成 「情熱と技術を継承してほしい」と遺族

AI要約

京都アニメーション放火殺人事件から5年が経ち、遺族の思いを取材。

犯行の動機や裁判に関する遺族の複雑な心情。

遺族の願いと想いが収められた『志を繋ぐ碑』が完成。

京アニ事件からあすで5年 犠牲者36人の志が刻まれた碑が完成 「情熱と技術を継承してほしい」と遺族

京都アニメーション放火殺人事件からあす・18日で5年となります。

事件を後世に伝えようと作られた碑。そこに訪れた遺族の思いを取材しました。

7月14日、京都アニメーションの本社がある、宇治市内の公園に完成した「志を繋(つな)ぐ碑」。

碑文には「夢と情熱を人から人へ」と刻まれ、事件で亡くなった社員と同じ数の36羽の鳥が、羽ばたく様子が表現されています。

【遺族】「京アニの作品が、多くの人の心に届き、亡くなったスタッフの想いが生き続けることを願っています。彼らの情熱と技術を継承し、素晴らしい作品を作り続けてください」

7月18日。毎年、この日が近づくと、娘が好きだった花を仏壇に供えます。

【娘を亡くした遺族】「(事件について)徐々に初めのことを思ったら、多少は薄れてきている。でも、こうして命日が近づくと、みんな(お花を)送ってきてくれるので、思い出します」

石田奈央美さん(当時49)。

京都アニメーションで“色彩設計”の担当として、さまざまな作品に携わりました。

奈央美さんは父と母と3人暮らし。

あの日から両親の生活は一変しました。

【石田奈央美さんの父】「うちの宝。大黒柱。私らを支えてくれた大事な、大事な命でした」

【石田奈央美さんの母】「今まで何十年とお弁当を作ってきたのに、いっぺんに(事件の)18日最後で、朝起きても何も作らなくてもいいし。私ら2人だけの食事ですやろ。さみしいですやっぱり」

犯行の動機を知りたい。

両親は、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(46)の裁判に参加すると決めていました。

しかし、初公判の1カ月前、父は体調を崩し、この世を去りました。

【石田奈央美さんの母】「『(裁判に)行きたい』って、『一緒に行こうな』って言ってたんやけど、そんなところやないようになってしまった。警察には『私ら年いってるから、早いこと(裁判を)してほしいんです』って言ってた。早くしてほしかったけど、もたへんかったな」

ずっと手元に置いていた奈央美さんの遺骨。

青葉被告に京都地裁で死刑判決が言い渡され、“一つの区切り”として、父の遺骨と一緒に墓に納めました。

【石田奈央美さんの母】「奈央美の月命日の日に納めた。(父は)さみしないやろ、奈央美と一緒に入ってるしと思って」