「思いを寄せる象徴に」京アニ事件伝える碑、京都・宇治の公園に設置

AI要約

京都アニメーション放火殺人事件で36人が死亡し、事件を後世に伝える碑が設置された。

碑の名称は「志を繋ぐ碑」で、犠牲者数と同じ36羽の鳥が空へはばたく様子を表現している。

遺族や関係者が出席した式典で、京アニは碑を「長く記憶にとどめる象徴」と位置付けている。

「思いを寄せる象徴に」京アニ事件伝える碑、京都・宇治の公園に設置

36人が死亡した令和元年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、事件を後世に伝える碑が14日、京アニ本社のある京都府宇治市の「お茶と宇治のまち歴史公園」に設置された。同日、遺族や京アニ関係者らが出席する式典が開かれ、完成した碑に思いを寄せた。

碑の名称は「志を繋(つな)ぐ碑」。京アニ社員や遺族ら有志でつくる会が、今月18日の事件発生5年までの設置を目指していた。碑の高さは約3メートルで、事件の犠牲者数と同じ36羽の鳥が空へはばたく様子を表現した。

設置に関する費用は国内外から集まった義援金の残額を充て、東京芸術大の専門家らが制作を担当した。碑は有志の会から宇治市に寄贈され、市が維持・管理を担う。

この日の式典には、事件の遺族35人や京アニの八田英明社長、宇治市の松村淳子市長ら計93人が出席。京アニ従業員の代表者は「一羽一羽の鳥たちがたくさんの方々の想いを汲み、繋いでいく気持ちを込めて形にしている。多くの方にとって想いを寄せる象徴となることを願っている」との言葉を寄せた。

京アニは碑について、犠牲となったスタッフや国内外から寄せられた支援への感謝を「長く記憶にとどめる象徴」と位置付けている。京都市伏見区の現場跡地には、別に慰霊碑の建立が予定されている。

事件は令和元年7月18日に発生。伏見区の第1スタジオが放火され、36人が犠牲となった。殺人罪などに問われた青葉真司被告(46)は今年1月に京都地裁で死刑判決を受け、控訴している。(堀口明里)