デジタルで教育旅行の魅力アップ 端末持ち鶴ケ城散策 秋に本格実証開始 福島県会津若松市

AI要約

福島県会津若松市の会津若松観光ビューローはデジタル技術を活用し、教育旅行の提案を目指す。

新型コロナ禍において、会津若松の魅力を再度アピールし、ICTを活用した学習コンテンツを導入する。

教育旅行先としての魅力を高め、将来のリピーターを増やす取り組みを展開する予定。

デジタルで教育旅行の魅力アップ 端末持ち鶴ケ城散策 秋に本格実証開始 福島県会津若松市

 福島県会津若松市の会津若松観光ビューローはデジタル技術を活用し、歴史や文化、スマートシティに親しめる教育旅行の提案を目指す。子どもの探究心を高め、協働的な学びを促す学習コンテンツを取り入れ、今秋から本格的な実証に乗り出す。

 新型コロナ禍では隣県をはじめとする県外からの来訪校数が増加し、ピーク時の2022(令和4)年度は908校に上った。しかし、昨年度は従来の訪問地に戻す動きがあり、753校に減った。まちづくりに情報通信技術(ICT)を生かしている会津若松ならではの特徴を前面に打ち出し、教育旅行先としての魅力をあらためてアピールする。

 専用のタブレット端末を持ち歩き、鶴ケ城公園内を散策する。6カ所で設問に答え、戊辰戦争の鶴ケ城籠城戦の様子などに触れる。各地点で端末のカメラをかざすと、拡張現実(AR)によって、ヒントとなる会津藩主・松平容保や赤べこ、会津唐人凧などが画面上に浮かび上がる。

 実証は9月、宮城県の小学校を対象に実施する。15台の端末を用意し、グループごとに2台ずつを無償で貸し出す。1時間程度の散策にボランティアガイドが付き添う。2025(令和7)年度以降の本格導入を目指す。

 ICTが生かされている市内の現場も訪問場所の一つに取り入れてもらうよう促す。夏休み期間から、下見に訪れた教職員らに無料で紹介する機会を設け、市内のオフィスビル「スマートシティアイクト」の入居企業が運用する農産物マッチングサービスや、食べ残しの削減につながるシステムなどを紹介する。

 会津若松観光ビューローの福島一郎理事長は「教育旅行は将来のリピーターになりうる客層。教育との親和性が高い体験メニューをアピールし、受け入れを増やしていきたい」と話した。