「当然存命できた可能性がある」赤ちゃんの遺体遺棄事件 全容解明のポイントについて専門家は「死産だったかどうか」 事件を防ぐためにも「命の重みを考えて」

AI要約

38歳の女性が生後間もない赤ちゃんの遺体を自宅アパートのトイレに遺棄し、死体遺棄の疑いで逮捕された事件について、全容解明のポイントは赤ちゃんが死産だったかどうかであり、DNA鑑定が急がれている。

専門家は、赤ちゃんが生存していた場合には救命できる可能性があり、事件の背後に深い問題があると指摘。家族や自治体のサポートが必要と強調されている。

滋賀医科大学が展開する「にんしんSOS青森」事業が、思いがけない妊娠で悩む女性への支援策として2023年に始まることが発表されている。

「当然存命できた可能性がある」赤ちゃんの遺体遺棄事件 全容解明のポイントについて専門家は「死産だったかどうか」 事件を防ぐためにも「命の重みを考えて」

生後間もない赤ちゃんの遺体を、自宅アパートのくみ取り式トイレのタンクに遺棄したとして、警察は11日、青森市の38歳の女を死体遺棄の疑いで逮捕しました。

生後間もない赤ちゃんが遺棄された今回の事件について、専門家は全容解明にポイントとなるのは「死産だったかどうか」を挙げています。警察もDNA鑑定をして赤ちゃんの身元の確認を急いでいます。

■専門家・全容解明のポイントは「死産だったかどうか」

滋賀医科大学社会医学講座 一杉正仁教授

「ポイントとしては、死産であったか亡くなった状態で生まれてきたか、生存していたかがポイントになります。(死産か生存していたかは)罪名を決めるうえでもポイントになります」

虐待を含めて子どもが亡くなった原因を分析し、予防策を考える「チャイルド・デス・レビュー」の会長を務める滋賀医科大学の一杉正仁教授です。

一杉教授は、今回の事件では赤ちゃんが「死産であったかどうか」が事件全体の背景を解明するのに欠かせないと指摘します。

■「もし生存して生まれてきていたならば、当然存命できた可能性がある」

滋賀医科大学社会医学講座 一杉正仁教授

「もし生存して生まれてきていたならば、生まれてきてすぐに救急車を呼ぶなど医療を施せば、当然存命できた可能性がある。それをそのまま産み落としたとなると、その背後にはどうなってもいいという思いがあったとしか感じられません」

中野渡容疑者は、警察の調べに対して「妊娠や出産はしていない」と供述していて、警察は赤ちゃんのDNA鑑定をして身元の確認をするとともに、事件の全容解明を急いでいます。

■「命の重みを考えていただきたい」事件を防ぐためには…

こうした赤ちゃんが亡くなる事件を防ぐために必要なこととして、一杉教授は家族や自治体などのサポートが鍵になると指摘しています。

滋賀医科大学社会医学講座 一杉正仁教授

「まずお願いしたいのはとにかく命の重みを考えていただきたい。色々な困難や事情を一人で考えこまず(自治体などの)窓口で相談していただきたいと思います」

思いがけない妊娠で悩む女性などを支援するため、県も2023年9月に「にんしんSOS青森」の事業を始めています。

相談は電話とメールで匿名かつ無料で受けることができます。