親族の赤ちゃんに酢酸鉛入りミルクを飲ませ傷害を負わせた罪 被告の女(38)に懲役3年の実刑判決 高松地裁

AI要約

有毒の「酢酸鉛」を入れた粉ミルクを親族の赤ちゃんに飲ませ傷害を負わせた罪に問われている女が、懲役3年の実刑判決を受けた。

裁判で女は酢酸鉛を混ぜたミルクを多数回飲ませたことが明らかになり、弁護側は心神耗弱を主張したが認められなかった。

裁判長は合理的な犯行であり危険かつ悪質な行為であるとし、懲役3年の実刑判決を下した。

親族の赤ちゃんに酢酸鉛入りミルクを飲ませ傷害を負わせた罪 被告の女(38)に懲役3年の実刑判決 高松地裁

 有毒の「酢酸鉛」を入れた粉ミルクを親族の赤ちゃんに飲ませ傷害を負わせた罪に問われている女の裁判で、高松地方裁判所は懲役3年の実刑判決を言い渡しました。

 傷害の罪で判決を受けたのは坂出市の無職の女(38)です。

 判決などによりますと、女は2022年7月中旬から8月下旬ごろまでの間、生後2カ月ほどの親族の女の子に劇物の酢酸鉛を混ぜたミルクを母親などを介して多数回飲ませ鉛中毒にさせたとしています。

 これまでの裁判で弁護側は「心神耗弱により善悪を判断する能力に欠けていた」と主張していました。

 12日の判決公判で高松地裁の深野英一裁判長は「自ら生成した酢酸鉛を粉ミルクに混入するという発覚しにくい犯行は合理的なもので責任能力は認められる」と弁護側の主張を退けました。

 そして「安全と信頼される粉ミルクに劇物を入れ、それを母親の手で乳児に飲ませた犯行はきわめて卑劣であり危険かつ悪質である」として懲役4年の求刑に対して懲役3年の実刑判決を言い渡しました。