富士山の山梨側「吉田ルート」が山開き 入山規制と通行料徴収スタート 初日は大きな混乱なし

AI要約

富士山の山梨県側登山道「吉田ルート」が登山客入山規制と通行料を導入して開通。初日は支払いのトラブルはなく、登山客からは歓迎された。

事前予約で手続きが簡単と好評。外国人対応も万全で、初日は悪天候で登山客が少なかったため混乱はなかった。

山梨県の目的は混雑緩和や自然保護。1129人が予約済みで、制度周知が課題だが実効性のある規制に取り組む意向。

富士山の山梨側「吉田ルート」が山開き 入山規制と通行料徴収スタート 初日は大きな混乱なし

 富士山の山梨県側の登山道「吉田ルート」が1日、静岡県側の3ルートに先行して開通した。山梨県は今年から新たに、人数と時間帯の入山規制を行い、県有地の通行料2千円の支払いを義務化した。新制度の運用に大きな混乱はなく、登山客からは「自然保護には必要なこと」と導入を歓迎する声が聞かれた。

 窓口は当日受付と事前予約に分かれ、電子決済での支払いも可能。外国人対応を想定して通訳案内士も配置した。山梨県によると、悪天候で登山客が少なかったこともあり、初日は支払い拒否などの大きなトラブルはなかった。

 事前予約の上、愛知県から友人と訪れた山田尚子さん(55)は「手続きは簡単だった。2千円の通行料も出せる価格」と笑顔で語った。石川県から家族で訪れた窪田亜紀さん(43)は「山を守るためにも通行料や入場制限は必要」と歓迎した。

 山梨県は弾丸登山の抑止や山頂付近の混雑緩和などを目的に、新制度の運用を決めた。6月30日までに1日の事前予約をしたのは1129人。制度周知が課題だが、同県の岩間勝宏富士山保全・観光エコシステム推進監は「当日の予約枠も約千人分確保しているため、早朝に訪れれば問題ない」と見込む。「実効性のある規制にして安全な登山につなげたい」と力を込めた。

 新制度では吉田口の5合目登山口に県が設置したゲートを午後4時~翌午前3時に閉鎖し、上限4千人を超えた場合も入山を封じる。山小屋を宿泊予約した人は通行可能。登山前日まで、富士登山オフィシャルサイトから通行予約と通行料の事前支払いができる。