今からでも間に合う!夏野菜のスロースタート栽培にはメリットがいっぱい

AI要約

夏野菜の植えつけは6~7月でも遅くない!スロースタートで無理せず楽しみながら育てよう。

6~7月から始めるスロースタートなら成功率が高く、長期収穫&多収が期待できる。

暑さに強いと思われる夏野菜も、夏の日本の気候には適応しきれない部分があるので注意が必要。

今からでも間に合う!夏野菜のスロースタート栽培にはメリットがいっぱい

夏野菜の植えつけは、もう遅いとあきらめていませんか? じつは6~7月にタネをまいても、十分間に合います。しかも、遅いスタートにはメリットもたくさん。野菜も人間も無理をせず、環境にも配慮した目からウロコの夏野菜栽培術で、タネまきから収穫まで、楽しみながら夏野菜を育てましょう! 『やさいの時間』6・7月号より、一部を抜粋してお届けします。

熱帯原産のナス科やウリ科などの夏野菜は、5月の大型連休の前後が植えつけの最適期とされています。じつはこれ、夏野菜の長期収穫&多収を目指す、生産者向けの作型なのです。このころはまだ、中間地でも遅霜が降りることがあったり、育苗する場合は、3月ごろにタネをまいて手間と時間がかかったりします。 

家庭菜園では、必ずしも生産者のスケジュールで育てる必要はありません。大型連休を過ぎると、市販の夏野菜の苗は少なくなりますが、だったら自分でタネから苗を作りましょう! 

発芽適温、生育適温に達した6~7月から始める「スロースタート」なら保温や加温は不要、育苗期間も短く、気温が安定してから植えつけるので、初心者でも成功率が大幅に上がります。苗があまり流通しない品種を育てることもできます。

さらに、従来の作型では、夏前に「なり疲れ」でバテたところに猛暑がきて、長期収穫のつもりが秋までもたないこともあります。夏野菜は暑さに強いと思われがちですが、例えばトマトの原産地の南米のアンデス高地は、日中の日ざしは強くても夜は涼しい日本より冷涼な気候。高温多湿で熱帯夜が続く日本の夏は、じつは苦手なのです。

●発芽適温、生育適温に達しているので苗作りに手間と時間がかからない

●苗が入手しにくい品種をタネから育てられる

●夏前に「なり疲れ」で株が疲弊せず猛暑を過ぎた秋口に収穫最盛期を迎える

●放任栽培で野菜も人間もラクできる

●短期集中で長期収穫&多収を求めなくてよい

スロースタートなら若い元気な株で猛暑を乗り切って、秋口から収穫のピークを迎えるので、昨年の猛暑で失敗した人にもおすすめです。6・7月号で詳しく紹介しています。趣味で楽しむ家庭菜園では、焦らずゆっくりのスロースタートで真夏はのんびり、暑さが収まった秋口から本気を出しましょう。「夏野菜失敗した......」「トマト植え遅れちゃった!」そんな方でも大丈夫! これから夏野菜をスタートできますよ。

教えてくれた人/木村正典(きむら・まさのり)

野菜研究家。博士(農学)。元東京農業大学農学部准教授。家庭菜園や市民農園、環境に配慮した自然とつながる野菜、ハーブ栽培などの研究と地域振興に長く携わる。

●『やさいの時間』2024年6・7月号 スロースタートで大成功! 夏まき夏野菜「どうしてスロースタートがいいの?」より