世界初のメタノールが使える低速4サイクルエンジン、阪神内燃機工業が内航タンカー向け完成

AI要約

阪神内燃機工業はメタノール燃料を使う内航タンカー向けの低速4サイクルディーゼルエンジンを完成し、世界初となる内航タンカーに搭載することを発表した。

新エンジンはメタノールを主燃料とし、A重油をパイロット燃料に使用。燃料供給が止まってもA重油のみで航行可能で環境に配慮している。

商船三井など6社がメタノール燃料エンジン搭載の内航タンカーの建造を2023年に決定し、24年12月に完成予定。

阪神内燃機工業は21日、メタノール燃料を使う内航タンカー向けの低速4サイクルディーゼルエンジンを完成したと発表した。低速4サイクルエンジンでメタノールが使えるエンジンは世界初という。商船三井などが建造する内航タンカーに搭載する。メタノールは重油に比べ燃焼温度が低く、窒素酸化物(NOx)の生成が少ないのが特徴で、環境に配慮している点を訴求する。

同エンジンは駆動部の基本構造は既存エンジンと同一で、燃焼室をメタノールエンジン向けに改造。メタノールを主燃料、ディーゼルエンジンで使われるA重油をパイロット燃料にした。メタノールの供給が止まってもA重油のみで船級が認める速力で航行できる。

エンジンの規格はシリンダー径28センチメートル、シリンダー数6、回転数は毎分330回転。定格出力の1103キロワットでエンジンを稼働する場合の燃料の構成は、A重油10―15%、残りがメタノールとなる。

阪神内燃機工業は2023年に、商船三井などの海運会社や造船会社の計6社でメタノール燃料エンジン搭載の内航タンカーの建造決定を発表した。同タンカーは24年12月に完成予定。