緊張してお腹が痛くなるのはなぜ? 予防法と注意点 内科医に聞いた

AI要約

新年度を迎えてから1か月半以上が経ち、新社会人や異動者が職場に慣れつつある中、緊張からくる腹痛の改善方法について内科医の視点から解説。

自律神経のバランスが崩れるとお腹の不調が生じる仕組みや、個人差によるストレスと腹痛の関連性について紹介。

ストレスからくる腹痛を改善するためには、ストレスを溜めず適切な対処法を取ること、冷えや刺激物の避け方、医師の診断を受ける大切さなどを述べたアドバイス。

緊張してお腹が痛くなるのはなぜ? 予防法と注意点 内科医に聞いた

 新年度を迎えてから1か月半以上が経ちました。新社会人や新しい部署への異動など、環境の変化があった人も少しずつ職場に慣れ始める頃でしょう。ただ、緊張からストレスを感じて、お腹が痛くなることがありますよね。体質的な問題もありますが、緊張からくる腹痛を改善するにはどうすれば良いでしょうか。内科医の佐藤留美医師に、緊張と腹痛の関係や症状、日常生活で気をつけることなどについて伺いました。

 ◇ ◇ ◇

 初対面の人との顔合わせや、大勢の前でのプレゼンなどは、何度経験しても緊張して落ち着かない人もいるでしょう。トイレに行く回数が増え、お腹が痛くなるなどの症状が出る人も。そのような不安や緊張、焦りといった不快な感情は、自律神経の働きに影響を与えます。

 自律神経には、活動しているときに優位に働く「交感神経」と、リラックスしているときに優位に働く「副交感神経」の2つがあります。胃腸の活動には副交感神経が密接に関わっていて、ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、お腹の不調が生じるようになるのです。

 ストレスと腹痛との関連は非常に複雑なもので、個人差があります。ストレスからくる腹痛を訴えやすい人には、他人の評価が気になる、落ち込みやすいなど、何事にも敏感に反応しすぎてストレスを溜め込みやすい傾向が。

 もちろん、同じようにストレスを感じても、腹痛などの症状が出ない人もいます。そのような人の場合、ストレスを溜め込んでも、適度な発散法を自身で理解しているため、お腹の不調を訴えることが少ないでしょう。

 ストレスからくる腹痛を改善するには、まずはストレスを溜め込まないこと。お腹の不調を感じたときは、深呼吸をして、お腹を温めると良いでしょう。日頃から休養や睡眠をしっかり取って、規則正しい生活を心がけることが大切です。

 また、冷えも腹痛の原因になります。冷房が効いたオフィスで、体が冷えないように対策することも大切です。これからの季節、冷たい飲み物や食べ物に手が伸びがちですが、できるだけ控えるように。暑い日でも、常温や温かいものを摂取すると良いでしょう。

 アルコールや喫煙なども原因のひとつとして考えられます。刺激物は避けて、胃腸の負担を減らすことを心がけてください。

 胃腸にとくに異常がなくても、緊張やストレスが原因で腹痛などを繰り返す症状を「過敏性腸症候群」といいます。これまで述べた生活改善などで症状が収まることもありますが、慢性的に繰り返す場合は、薬物療法などもありますので、自己判断ではなく医師に相談してください。

 また下痢や便秘、お腹の不快感などの症状が2週間~1か月以上も続く場合は、過敏性腸症候群ではない別の病気の可能性があります。早めに医療機関を受診するようにしましょう。